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2016年01月22日23:12

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市川崑×手塚治虫の幻の映画 『火の鳥』

BS日本映画専門チャンネルで特集中の”市川崑劇場”枠で、今まで見たかった『火の鳥』をついに見ることができました。

1978(昭和53)年の夏休み興行の目玉として封切られたものの興行的には大苦戦し、ソフト化もされていないという、まさに幻の映画でした。

壮大な失敗作というレッテルが貼られていますが、なかなかどうして面白い映画です。


【物語】
古代の日本。
ヤマタイ国の女王ヒミコ(高峰三枝子)は、その生き血を飲むと不老不死になれるという伝説の”火の鳥”を探し求めていた。ヒミコの命令である国を滅ぼしたサルタヒコ(若山富三郎)は、生き残りの少年ナギ(尾美トシノリ)を引き取り、わが子のように面倒を見る。
一方、大陸から侵略にやってきたジンギ(仲代達也)の軍勢が、ヤマタイ国に迫る。


…原作・手塚治虫、脚本・谷川俊太郎、衣装デザイン・コシノジュンコ、テーマ音楽・ミシェル・ルグラン、監督・市川崑。

スタッフだけでももの凄いのですが、キャストも壮絶。
高峰三枝子・若山富三郎・草刈正雄・江守徹・草笛光子・加藤武・由美かおる・仲代達也ですよ。これだけで金田一耕助シリーズを1本録れるほどのキャスティング(金田一役がいないけど)です。

これだけの大作映画ですが、コケた理由は見ればすぐに分かります。当時の観客には実験的すぎたのです。

原作者の手塚治虫自らが陣頭指揮をとったアニメパートが実写映像とかみ合わず(当時はすでに『メリー・ポピンズ』という先駆者がいたが)、実写の背景から激しく浮いています。恐らく市川崑監督のアイディアではないであろうギャグシーン…(ピンクレディーのUFOに合わせて踊る山犬、サルタヒコのクシャミで天井を突き破って飛んで行くナギ、突如現れる鉄腕アトム、等)…は、大真面目でシリアスな映画の展開を妨げます。

漫画というジャンルを余すところなく映画化しようという意気込みはビシビシ伝わってくるので、その点は大いに評価できます。

血肉入り乱れてドロドロになる人間ドラマの中、健気な少年ナギだけが純粋に輝いていたところに、市川崑監督と原作者手塚治虫の優しさを見ることができました。

★★★。
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