DVD化を待っていた傑作SF『縮みゆく人間』が、やっと国内盤DVDとして出ました。
リチャード・マシスンが自身の原作小説を脚本家して映画化したもので、巨大生物ものが流行していた時代に逆行する、極小の世界を描いたSF映画です。
1957年製作のユニヴァーサル映画。日本でも公開されています。
【物語】
洋上でのバカンス中に放射性物質を帯びた霧を全身に浴びてしまったスコット(グラント・ウィリアムズ)。
しばらくは変化のない生活を続けていたが、殺虫剤を浴びたことで、全身の細胞が収縮しはじめる。
妻や医療機関の看護もむなしく、縮小を続けるスコットは、ネコに襲われて地下室に落ちてしまう。
…監督のジャック・アーノルドは、『大アマゾンの半魚人』『タランチュラの襲撃』『モノリスの怪物』などのユニヴァーサル製SFの傑作を続々と手掛けた才人。ピーター・セラーズがひとり3役を演じたコメディ『マ・ウ・ス』も撮っている器用な人で、いずれも低予算ながら、面白さを純粋に追及し続けた名監督です。
主人公の体の縮小の最初は、子どもぐらいのサイズなので、大き目の家具や小道具を配置して撮影。見せ方がうまいので違和感を感じさせない撮影です。
さすがに数�僂曚匹梁腓�さになると、オプチカル・プリンターによる光学合成をしていますが、背景や他の物体との距離感を絶妙に計算しており、ここにも違和感はありません。これは凄いことです。
同時期の巨大生物映画『巨人獣』などだと、巨大化した主人公の体はスケスケで大きさもコロコロ変わる適当ぶりであることを考えると、『縮みゆく人間』の特撮は非常に良くできています。
ネコやクモと戦いつつも、最後には誰にも気づいてもらえなくなる主人公は、最後にある種の悟りを開きます。それが何ともキリスト教的なのがアメリカ映画らしいところでした。
日本公開時はシネマスコープ・サイズだったようですが、DVDはビスタ・サイズで収録。
さすが大手ユニヴァーサルの作品だけあって、モノクロ映像がシャープで綺麗です。
★★★★。うーん、ジャック・アーノルド監督にハズレなし。
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