デビッド・クローネンバーグ監督の最新作『マップ・トゥ・ザ・スターズ』を見て来ました。
クローネンバーグ初のオール・アメリカ・ロケで、しかもハリウッドの内幕モノという、今までのグロテスクな作品群とは異なる映画かと思いきや…やっぱりグロテスクな映画でした(笑)。
カンヌ国際映画祭パルム・ドールにノミネートされ、ジュリアン・ムーアが女優賞に輝いています。
【物語】
長距離バスでハリウッドにやってきたアガサ(ミア・ワシコウスカ)。
ツイッターで知り合ったキャーリー・フィッシャー(本人)の紹介で、落ち目女優のハバナ・セグランド(ジュリアン・ムーア)の個人秘書を務めることになる。顔や腕に大きな火傷の跡があるアガサは、ある衝撃的な秘密を抱えていた。
一方のハバナ・セグランドは、起死回生の一打として、女優でもあった母親がむかし出た映画のリメイク作の役が欲しい。その母親は火事で焼死していた。なりふり構わず役の獲得に奔走するハバナを横目で見ながら、アガサはティーンのスター・ベンジーに接触する。そこにも大きな秘密があった。
…登場人物のほとんどがハリウッドの関係者であり、しかもどす黒い心の闇を抱えているという、不健全極まりない(ほめ言葉)映画です。
インモラルの頂点に立つのが、ジュリアン・ムーア演じる落ち目の女優。
役の獲得のためには手段を選ばず、自分が出たかった映画の代役女優の幼い息子が死んだとき、狂喜して踊りまくる凄まじさです。この役でカンヌ国際映画祭女優賞を獲得し、この映画の前後に主演した『アリスのままで』ではアカデミー主演女優賞を獲得しています。まさに当代きっての名女優です。
ある目的を達するためにハリウッドにやってきて、表情には決して出さずに着々と実行していく謎の主人公を、ミア・ワシコウスカが好演。ほか、ロバート・パティンソン、ジョン・キューザック、オリヴィア・ウィリアムズなど、いい俳優が揃っています(ただし善人は一人もいません)。
グロテスクなものを、映像ではなく俳優の演技で見せた、クローネンバーグ監督の演出には衰えがまったくありません。ここ数年の作品では鋭さが増すばかりです。
★★★。
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