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2015年02月22日09:24

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2・22は竹島の日

 2月22日は「竹島の日」である。「竹島の日」式典が、島根県、返還要求運動県民会議などの主催により、松江市で開かれる。本年で10回目となる。政府は3年連続で政務官という大臣・副大臣より下のクラスの職員を派遣する。
 2月22日というのは、明治38年(1905)に政府が竹島を島根県に編入(現在は隠岐の島町)し、この日に島根県知事が所属所管を明らかにする告示を行ったことに由来する。2月7日の「北方領土の日」は政府の制定であり、政府が北方領土返還要求全国大会を全面的に支援し、歴代首相や関係閣僚が出席してきた。これに比し、「竹島の日」は、政府ではなく島根県の制定である。安倍政権は平成25年2月に閣議決定した答弁書で「竹島の日」を政府制定にすることを検討するとしたが、結論が出ていない。また、自民党は政府主催の式典開催を、24年12月の衆院選の公約にしたが、まだ実現していない。政府は「竹島の日」を政府制定の日に格上げし、また式典を政府主催の式典にすべきである。
 わが国は、大東亜戦争末期から敗戦直後にかけて旧ソ連によって北方領土を不法占拠された。続いて、連合国に占領されていた期間に、韓国の李承晩大統領が李承晩ラインを引いて竹島を自国の領土・領海に含めようとした。これに対し、わが国は有効な抗議・行動をせず、不法占拠を許し、実効支配を受ける状態となった。
 竹島は、歴史的にも国際上もわが国固有の領土である。その点をより明確にする資料が昨年1月発見された。わが国政府は、それまで長久保赤水(せきすい)が作製した初期の日本地図「改正日本輿地路程(よちろてい)全図」(1779年初版)などに竹島が記されている事実をもとに、「遅くとも17世紀半ばには竹島の領有権を確立した」と主張してきたが、昨年1月、島根県の竹島問題研究会の調査で、江戸時代後期に作製された複数の地理学者らによる地図5点に、いずれも竹島が日本領として記載されていることが分かった。これによって長久保以外の学者も竹島を日本領としていたことが裏付けられ、江戸時代から広く竹島は日本領という認識が定着していたと言える。詳しくは、拙稿「竹島は江戸時代から日本領と広く認識」 に書いた。
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/8dbf859f8e6057a8ad39afd7021fb183
 また昨年5月、旧鉄道省(現・国土交通省)が昭和9(1934)年に発行した旅行ガイド本「日本案内記」に、竹島が紹介されていることが島根県の調査で分かった。
 「日本案内記」は国の機関の観光本で、昭和初期、東北編や中部編、近畿編などに分けて出版された。鉄道駅ごとに沿線の見どころを紹介し、年中行事や産業、モデルの旅行日程などを記載している。この本に、中国・四国編の鳥取−米子間の駅周辺の紹介に続いて、竹島が載っている。
 「日本案内記」は、昭和17、29両年に改訂版が出るなど広く活用されていた。島根県の竹島研究会は、「昭和初期に竹島が国内の景勝地の一つと国も認めていた証拠」「全国に広まった旅行ガイド本で竹島が取り上げられ、当時の多くの人が景勝地の一つとして認識していたことがうかがえる」と述べている。 この点は、拙稿「竹島は昭和初期の旅行ガイド本にも掲載」に書いた。
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/13c908b458c05b381ae9392d95786fe3
 本年2月6日、中国で1882年に作られた韓国の歴史や地理などをまとめた書物「東藩(とうはん)紀要」に竹島の記載がないことが、竹島問題研究会の調査で分かった。李氏朝鮮の内乱後、宗主国の清が支配を強化しようとして、清の役人が李氏朝鮮の地理、歴史、制度などの資料を集めて編纂したもので、台湾の出版社が1972年に出版した復刻版を、研究会関係者が昨秋、入手した。
 韓国は、昔の地図にある「于山(ウサン)」が現在の竹島と主張し、同書にある地図「朝鮮輿地(よち)図」と「江原道(カンウォンド)図」では、朝鮮半島の東側にある鬱陵島のすぐ東に「于山」が描かれ、同書の説明で「鬱陵島旁有于山」と鬱陵島の近くに于山があると主張する。しかし、実際の竹島は鬱陵島の南東約90キロと離れており、位置や方角も異なる。また、同書で示す朝鮮の範囲とする経度では、竹島は入らないと研究会関係者は指摘する。研究会は「当時の李氏朝鮮の宗主国だった清が、竹島を李氏朝鮮の領土と認識していなかったことが分かる」「大きな成果の一つだ」と述べている。
http://www.sankei.com/west/news/150206/wst1502060090-n1.html
 こうした資料をもとに、竹島はわが国固有の領土であることを国民に周知し、特に青少年に対してしっかり教育すべきである。
 従来竹島と尖閣諸島を説明する小学校教科書はほとんどなかったが、本年春から使われる小学の教科書は、社会科で竹島と尖閣諸島について全社が掲載する。また竹島と尖閣諸島について、はじめて「日本固有の領土」と明記された。竹島について韓国が不法占拠していることを書く教科書も増えている。
 一方、中学・高校の教科書は、竹島や尖閣諸島について、韓国や中国がそれぞれ領有権を主張していることを強調しながら、日本固有の領土であることをはっきり書かない教科書があった。これについては、昨年1月、中学校と高校の学習指導要領解説書が改定され、竹島と尖閣諸島は「固有の領土」と明記した。改定されのは、中学校の社会科、高校の地理歴史と公民の解説書で、中高の地理と公民で、竹島と尖閣を「固有の領土」と明記した。その上で、竹島は韓国に不法占拠され、尖閣には領土問題が存在しないとの政府見解に沿った内容を追加した。高校日本史などでも竹島と尖閣を領土に編入した経緯を取り上げることを求め、領土教育を強化する方針であり、検定に反映される。
 単に教科書に掲載するだけでなく、先に書いた江戸時代の地図や昭和時代の旅行ガイド本、清の文書などを資料として用い、効果的な教育を行ってもらいたいものである。
 戦後日本人の領土意識は、極端に低下している。これを回復しないと、日本の現状は改革しえない。領土問題は主権の問題、国防の問題であり、つきつめると憲法問題である。そこに根本を置かないと、事態は決して好転しない。この点は、別に掲示している下記の拙稿をご参照願いたい。

関連掲示
・拙稿「領土問題は、主権・国防・憲法の問題」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion12.htm
 目次から<全般>のA04へ

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