アヌシー国際映画祭で観客賞を受賞し、今年のアカデミー賞でも長編アニメ賞にノミネートされていたフランス映画『アメリと雨の物語』を見てきました。
フランス映画ですが、60年代の日本が舞台となる作品です。
【物語】
1969年、神戸。ベルギー人外交官の家族に、女の子がうまれた。
女の子はアメリと名付けられたが、周囲に対してあまりに反応がなく、両親は心配するも、ベルギーからやってきた祖母のおかげで一気に感情が芽生える。
やがて成長したアメリは、日本人のお手伝い・ニシオさんになつき、日本の自然や季節の風物詩に魅了されていく。
…パステルカラーな色彩と、輪郭のない淡いタッチの水彩画のような画が優しい作品。でも風景描写は緻密で、ディフォルメとリアルが自然に混在する、高い画力をもって描かれています。
60年代の日本の車な家電製品、ファッションなどの再現度も極めて高いです。
光やいきものに反応して成長していく女の子の、どこか達観したような心の声と、しだいに表情が豊かになっていく姿が愛くるしい。アメリといえば、これもまたフランス映画の『アメリ』でオドレイ・トトゥが演じたヒロインにどこか通じるものがありました。
数少なく感じた違和感がひとつあるならば、劇中の日本人の大家さん(カシマさん)が外国人を敬遠する理由が戦争であり、「あの人たちに私の家族が殺された」と慟哭する場面。その相手がアメリカ人ならばともかくベルギー人なので、そこだけがちょっと不思議でした。それとも、当時の日本人は、欧米人ならばみんなかつての敵と感じていたのか。それもまた映画のエッセンスでもありますが。
★★★。画がとても綺麗です。
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