クリント・イーストウッドの監督最新作でありながら、全米でも限定公開・日本では未公開に終わってしまった法廷スリラー『陪審員2番』を国内盤ブルーレイを購入して見ました。
これだけワーナー・ブラザーズに貢献してきた監督はいないのに、ワーナーはこの映画を配信のみで終わらせようとしたことは記憶に新しいこと。因果なもので、そのワーナーは身売りすることになってしまいます。
これは見事な映画でした。未公開なのは非常に惜しいことです。
2024年のアメリカ映画で、ワーナー・ブラザーズの作品。
114分、シネスコサイズです。
【物語】
出産を間近に控えた妻を持つジャスティン(ニコラス・ホルト)は、タウン誌の記者をしながら静かに暮らしていた。ある日、殺人と疑われる事件の裁判の陪審員に選ばれたジャスティンは、法廷に出向くが、その事件で殺されたとされる女性の死の状況を知って驚愕する。その理由とは…
…『スーパーマン』のレックス・ルーサー役も新鮮だったニコラス・ホルトを主役にしたのがまず正解。いかにも善良で(実際に善良なのだけれど)、暗い過去などないように見えて、その実、そんな人間などいないのだと気づかされる、現代に生きる我々と同じ目線の等身大の役でした。
検察官役のトニ・コレットは検事長への選挙を控えていて早く容疑者を有罪にしたいし、陪審員の花屋で元刑事のJ・K・シモンズはかつての職業への宣誓を忘れていない。こういう役を渋い俳優がちゃんと演じている。見せ場は少ないですが、キーファー・サザーランドも出ています。
曖昧な結末に見えて、実は…というラストも良かった。考えることで参加する映画です。
90歳を超えたクリント・イーストウッド、その演出力は少しも衰えていません。
劇場で見ていたらベストテン入りは必須だったと思います。★★★★。
…それにしてもこのブルーレイ、特典映像はおろか日本語吹替音声すら収録していない、本編のみの恐ろしく簡素なディスクです。こういうところに身売りせざるを得ない末期ハリウッド・メジャーの最後の姿が反映されているかと思うと寂しくなります。
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