70年代に放送されていたという設定で、NHKで放送された架空の特撮ドラマ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」の劇場版、『大長編タローマン 万博大爆発』を見てきました。
(映画も、むかし実際に上映されたフィルムという設定)
ふざけて作ったチープな特撮モノかと思いきや、実はハードSF的な側面もあり、面白かったです。
【物語】
昭和45年=1970年。活気あふれる大阪万博の会場に、巨大怪獣「奇獣」が出現。
地球防衛軍(CBG)が対応に苦戦する中、未来から来たというサイボーグが人々を救う。
サイボーグは、巨人”タローマン”の持つエネルギーが未来を救うと話し、時空を超えて、地球防衛軍とともに未来である昭和100年=2025年の宇宙万博会場へと向かう。
…本当に70年代に放送されていたかのような、劣化した16ミリフィフイルムの質感やスクラッチ、雑音なでもが丁寧に再現され、その時点で「バカなことを全力で本気でやっている」ことに好感が持てる作品。70年代愛、特撮愛、岡本太郎愛にあふれた珍品です。
昭和45年の世界はスタンダード・サイズで、昭和100年の世界はシネスコ・サイズで描くという凝った演出も(そのシネマスコープそのもので遊ぶという前代未聞の演出あり)。
タローマンというのは、岡本太郎の”太陽の塔”を模したようなデザインで、人類を助ける訳でも邪魔をする訳でもなく、ただただ都市に出現するというやっかいな巨人。その行動は地球防衛軍にも予測できず、人々はただ困惑するばかりというのが面白いです。
他にも、岡本太郎の芸術作品を模した怪人が大挙して登場。
登場人物はみな岡本太郎の言葉を引用するし、冒頭からエンドマークまで岡本太郎に染まった珍妙な映画なのに、謎の懐かしさに包まれる可笑しさが何とも形容しがたいです。
★★★★。今年の新作映画の中ではダークホース的1本です。
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