1987年のイタリア映画『黒い瞳』が4K修復ロングバージョンとして本邦公開されたので、見てきました。初公開版よりも25分近く長くなっています。
ロシアのニキータ・ミハルコフ監督、マルチェロ・マストロヤンニ主演のドラマです。
【物語】
1900年代初頭、ヨーロッパ航路の客船。
船内の食堂に入ったロシア人紳士が、初老のイタリア人・ロマーノ(マルチェロ・マストロヤンニ)と意気投合し、自身の過去を語り始める。
ロマーノは、銀行を経営する富裕な妻(シルバーナ・マンガーノ)と結婚し、不自由のない暮らしをしていたが、ロシア人女性のティナ(マルト・ケラー)と知り合い、恋に落ちる。
…正直、この映画の頃のマストロヤンニはロマンスを演じるには高齢かと思っていたのに、不自然さをまったく感じさせずにさらっと演じてしまう、さすがの名優ぶりでした。言ってみれば不倫のお話なのですが、嫌らしさもなく、優しい眼差しにすっかり魅せられてしまいます。
その不倫のお相手であるロシア人女性にマルト・ケラー。どこかで見たことが…と思っていたら、ジョン・スランケンハイマーの傑作『ブラック・サンデー』でテロリストだった人。出演作にはビリー・ワイルダーの『悲愁』もある人で、なかなか不思議なフィルモグラフィの持ち主です。
共演にシルバーナ・マンガーノ、イザベラ・ロッセリーニというのも豪華です。
音楽はフランシス・レイですが、あまり前面には出てこず、あくまでマストロヤンニを見せることに演出の重きが置かれているようです。『ひまわり』でもロシアにゆかりのあるマストロヤンニを主演に迎え、ニキータ・ミハルコフ監督は、見せ方を熟知しているようでした。
★★★。
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