西部開拓史の時代のアメリカを舞台にした奇妙なドラマ『ファースト・カウ』を見て来ました。2019年のアメリカ映画ですが、4年遅れの本邦ロードショーとなりました。
ニューヨーク批評家協会賞で作品賞を受賞しています。
【物語】
恐らく現代のアメリカ。ある川の土中から、2人並んだ人骨が発見される。果たしてこの2人にはどのようなドラマがあったのか。
時を遡ること19世紀半ばのアメリカ。料理人のクッキー(ジョン・マガロ)は、中国人のルー(オリオン・リー)と意気投合。2人は、村長(トビー・ジョーンズ)がヨーロッパから連れてきたという牝牛の乳を盗み、ドーナツを作って売ることを思いつく。クッキーの作るドーナツは瞬く間に評判となり、何も知らぬ村長にも大いに気に入られるのだが…。
…4:3のスタンダード・サイズで、飾るところなく、音楽もひたすらに静かな人間ドラマです。
文明の浸透していない大昔のアメリカで、自然と対峙しながら知恵を絞る(牛乳を搾ってドーナツを揚げる)男たちの姿が滑稽で、何となく愛おしく見えて来ます。
名バイプレーヤーのトビー・ジョーンズ以外、ほとんど無名の俳優たちなのも良かった。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』でアカデミー賞にノミネート中のリリー・グラッドストーンが小さな役で出ていました。
怪訝な顔で一口めのドーナツを食べた村長=トビー・ジョーンズが、顔がぱあっと明るくなり、「ああ、ロンドンで食べた味だぁ…」と幸せそうにつぶやくシーンが好きです。
★★★。小さな映画ですが良作でした。
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