阪本順治監督の新作『せかいのおきく』を見て来ました。
35mm白黒スタンダード(パートカラー)の青春時代劇です。
ちょっといい映画でした。
【物語】
幕末。
便所の肥やしを汲んでは百姓に売って生計を立てる青年・矢亮(池松壮亮)は、紙くず屋から転向してきた中次(寛一郎)とコンビを組む。中次は、ひいきの長屋に住む元武家の娘・きく(黒木華)のことが気になっている。
しかし、ある出来事がきっかけで、きくは声を失ってしまう。
…江戸時代のくみ取り業者・”下肥買い”のくらしを描いた異色の映画です。
全編、スクリーンから臭いが漂ってきそうなシーンの連続ですが、汚物の中にあっても光る人間の誇りや絆は神々しく、青春のほろ苦さも相まって、爽やかさも際立つ小品でした。
若手3人の役者に加え、石橋蓮司や佐藤浩市といった阪本組常連のベテランが脇を支えています。だんご好きな眞木蔵人の住職もいい味です。
タイトルにある「せかい」という言葉が陳腐化してしまった今にあって、その意味を考えさせられるのも一興でした。
★★★。
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