アイルランドとカナダによる合作という珍しい映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』を見て来ました。シガニー・ウィーバーを除いてほぼノー・スターの小品ですが、大作にはない楽しさがありました。
出版業界版『プラダを着た悪魔』といった趣の作品です。
【物語】
1990年代半ばのニューヨーク。
老舗の出版エージェント会社に就職した作家志望のジョアンナ(マーガレット・クアリー)は、老練でとっつき憎いベテラン上司(シガニー・ウィーバー)に苦労しながらも新生活を始める。ある日、伝説的作家のサリンジャー本人から出版の相談の電話を受けたことから、ジョアンナの生活は大きく変わってゆく。
…出版社そのものが舞台なのではなく、作家と出版社の橋渡しをするエージェント会社が舞台というのは初めて見ました。サリンジャーへのファンレターが毎日大量に舞い込み、その一つ一つに定型文で返事を書くのが主人公の仕事。定型文とはいえ、ちゃんと返事を出しているのに驚きます。
1995年頃の話なので、オフィスにPCが初めて導入されるシーンも。
劇中で、「紙の小説がネットに取って代わられたらおしまい」というセリフも登場し、街の書店がこんなに無くなる姿が日常となった現代からすると、切なくなります。
作家と編集者、作家とエージェントというと、エキセントリックな映像化作品が多いように感じますが、この映画はあくまで静かに、でも情熱を持って本と向き合う人々を描いているので、好感が持てました。
愛すべき小品というのは、こういう映画です。★★★★。
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