セルジオ・レオーネ監督は、最初期の『ロード島の要塞』も含めて全作品DVDかBDで持っている、好きな監督です。
その遺作である超大作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のディレクターズ・カット版が”午前十時の映画祭”で上映されたので、見て来ました。
様々なバージョンがある作品ですが、今回のはカットされたシーンを復元・修復した2014年製作のマスターを4Kスキャンしたもの。上映時間4時間11分、堂々たる大作です。
オリジナル版は1984年製作、同年日本公開。
同監督の『ウエスタン』『夕陽のギャングたち』と合わせて”ワンス・アポン3部作”とされることもあります。
【物語】
1960年代のニューヨークに、初老の男がやって来る。
男の名はヌードルズ(ロバート・デ・ニーロ)。かつてこの街で、密造酒で稼いだ顔役の1人だった。
彼は、駆け出しのチンピラだった1920年代から、固い絆で結ばれた仲間のマックス(ジェームズ・ウッズ)たちのこと、密かに思いを寄せていたデボラ(エリザベス・マクガヴァン)のことを回想する。
…この映画をDVDで初見したのは『完全版』でしたが、復元されたシーンを通して見ると、セルジオ・レオーネ監督のやりたかったことがやっと見えて来ます。
例えば、ヌードルズがタクシーでデボラを犯し、朝目覚めると、”デボラより”と書かれた手紙が置いてあるシーン。復元されたフイルムには、その前にイヴとの出会いがあり、手紙を書いたのがイヴだったことが初めて分かります。このシーンがあるのと無いのとでは、現代(60年代)になってヌードルズとデボラが再会するシーンでの印象が、まるで違ってきます。
政府高官となったマックスが、自分の暗殺をヌードルズに委ねるクライマックスでも、マックスが苦悩する姿が復元されてより繊細になっており、ラストのゴミ収集車のシーンが持つ意味の重みが変わってきます。もちろん、修復版の方に深みがあります。
正直、ここまで印象が変わるものとは思っていませんでした。まるで別物の映画を見ているような感覚です。これには驚きました。
セルジオ・レオーネの監督作にはカットされたものが多く、あの大傑作『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』でさえ、真の意味での完全版が失われていると言われています。
今回の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』にも、さらに上映時間の長いレストア版(269分)があるとされています。上映されれば、また見に行くでしょう。
復元されたフイルムの状態が良くなく、それ以外のシーンとの違いがやや気になる不完全なマスターではありましたが、感動的でした。4Kマスター上映では、少女時代のデボラを演じるジェニファー・コネリーの美しさが際立っていました。
★★★★。素晴らしい。
(画像は1984年日本公開当時のアド)
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