かわいらしい絵柄とは裏腹に残酷な物語が展開する作品といえば、近作だと「メイドインアビス」「魔法少女まどか★マギカ」がありますが、そこに『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が加わりました。
8/2時点で興行成績40億円を突破中の話題作は、子供向けアニメと思って見ると衝撃を受ける作品です。本当は見に行く予定がなかったものの、まわりの人たちにあまりに勧められ、見てきたものです。
【物語】
ある島からの招待状(チラシ)をぐうぜん手にしたちいかわたちは、島のごちそうや「討伐したらもらえる」報酬につられて島にやってくる。島にはネコのようなセイレーンがおり、ちいかわたちは捕まってしまう。セイレーンと島民たちの間には、あるひみつがあった。
…主人公「ちいかわ」があまりちゃんとした言葉を話さないことすら知らない程度の予備地意識で臨みました(話すのは友達の「ハチワレ」の方だったのか…こっちが主人公かと思ってました)。
湊かなえ的というか、横溝正史的というか…そもそも構造が「獄門島」のようだし、日本土着のホラー的要素を含んでます。「被害者はほんとうに被害者なのか?」という疑問が結実するラストと、それを主人公のちいかわだけが背負って迎えるというのがいちばん残酷です。
「メイドインアビス」のような物理的・肉体欠損的な残酷描写はないものの、大人だけが気づかされる残酷さの構造が見事でした。
自分が『サンタクロース』(サルキンド版)や『オズ』からトラウマを植え付けられたように、子どもの観客にも何らかのトラウマの萌芽のようなものが残り、成長の糧となってくれるのでしょう。
稀有な映画でした。もう一度見たい。★★★★。
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