つげ義春の漫画を三宅唱監督で映画化した『旅と日々』を見てきました。
つげ義春は割と好きで、漫画も何冊か持ってるのですが、どの原作の映画化かと思っていたら「海辺の叙景」と「ほんやら洞のべんさん」のミックスと知って驚きました。
さらに、映画の巧みで大胆な構成力に驚かされます。
【物語】
とある街の海岸で、青年(�眦痛�作)と若い女(河合優実)が出会い、意気投合する。
雨の中、海で泳ぐ2人……という映画が製作される。つげ義春の漫画を、韓国人脚本家の李(シム・ウンギョン)が仕上げたものだ。映画を応援してくれていた恩人(佐野史郎)が亡くなり、双子の兄弟(佐野史郎)に遺品のカメラをもらった李は、雪国に旅にでる。そこで、さびれた宿屋の主人(堤真一)と出会う。
…前半は「つげ義春の漫画を映画化した劇中劇(「海辺の叙景」)で、後半はつげの世界を追体験することになる脚本家が雪に閉ざされた宿屋に泊まる物語(「ほんやら洞のべんさん」)。趣が全然異なる2つのエピソードをつなぐのが、これまたつげ義春に縁のある佐野史郎(ゲンセンカン主人!)であるというキャスティングの妙。
原作「ほんやら洞」の主人公である男の漫画家を、韓国人脚本家の女性に変えたことで柔らかさが加わり、作品作りに悩む都会の脚本家と、うらぶれた宿屋のオヤジ(堤真一が絶品)との対比から可笑しさと哀しさがにじみ出ていて何とも言い難い魅力があります。
89分のスタンダード・サイズという小品ながら、映画的な面白さと温もりを優しく醸す、これは名作です。
★★★★。
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