久しぶりに、アメリカ映画らしい映画を見ました。
俳優のジェシー・アイゼンバーグが主演・脚本・監督の3役を務め、今年のアカデミー脚本賞にノミネートされている『リアル・ペイン 心の旅』を見て来ました。
良作でした。
【物語】
いとこ同士であるユダヤ系アメリカ人のデビッド(ジェシー・アイゼンバーグ)とベンジー(キーラン・カルキン)が、ユダヤ人のルーツやホロコーストの跡地をたどる少人数のツアー旅行に参加し、ワルシャワへやってくる。対照的な性格の2人だが他のツアー客ともなじみ、旅は続く。2人には、ある目的があった。
…脚本と監督を兼任したジェシー・アイゼンバーグは、シャイで生真面目なデビッドを好演。緊張とする早口になるあたりはウディ・アレンを思わせます。対するキーラン・カルキン演じるベンジーは、ハッパ好きでズボラな社交的な男。誰にでも本音で話しかけ、人の繊細さを見抜く力がありデビッドがうらやむほど。
この2人が、見ている自分とも年齢・世代が近いこともあり、アメリカ人であっても大いに共感できる人物像だったのが非常に良かった。現代のアメリカの、自分と同じ世代の人間がどう考えているかが分かる、こういう映画を見られたのは財産です。
映画には飾ったところもなく、音楽も控え目なピアノ曲のみ。
タイトル・デザインも簡素で、ちょっと見ると70年代のアメリカ映画のようでもあるのですが、中身はちゃんと2020年代の「いまの」映画です。90分という上映時間もちょうどいい。
タイトルの”リアル・ペイン”には、登場人物たちの心の痛みのほかにも、ホロコーストの重みや苦しみも含まれています。
同世代の映画人がつくった映画。国は違っても痛みは同じ。しっかり受け止めました。
★★★★。
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