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2024年07月21日00:20

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2022年の孤独のグルメ 『ソイレント・グリーン』

リチャード・フライシャー監督によるディストピアSF映画『ソイレント・グリーン』のデジタル・リマスター版が劇場公開されたので、見て来ました。

これはちょっと特異な映画。
公開時の評価もそれほど高くはなく、大ヒットしたとも言い難い作品。上手いんだか下手なんだか分からない、リチャード・フライシャー監督作です。

しかし日本では、池波正太郎が称賛していたり(主にエドワード・G・ロビンソンを)、早くにDVDがリリースされるなど、妙に愛されている感のある映画でもあります。

1973(昭和48)年、MGM映画。シネマスコープ・パナビジョンの割には粒子が粗く、時代を感じさせるマスターでした。

【物語】
環境が破壊され、人口爆発と極度の温暖化のために食糧不足が深刻化した2022年。
ニューヨークの人口は4000万人を超え、人びとは政府の配給食糧”ソイレント・グリーン”で飢えを凌いでいた。
そんな中、超高級マンションに住むソイレント社の幹部・サイモンソン(ジョセフ・コットン)が殺害される事件が発生。刑事のソーン(チャールトン・ヘストン)は、自宅に同居させている知識人(ブックと呼ばれる)のソル(エドワード・G・ロビンソン)とともに事件を捜査する。
やがて彼らは衝撃の真実を知ってしまう。

…この映画を初めて見たのはDVDでしたが、同時期のヘストン主演作『オメガマン』とだいぶ混同していたことを再確認。

巻頭、古き良きアメリカ開拓使の時代から、鉄道網の発達、自動車の急激な普及と工業化、人口増大を環境汚染までを一筆に見せる鮮やかさは、鈍重な作品が多いリチャード・フライシャーにしては冴えています。主人公のチャールトン・ヘストンをはじめ、登場人物のほとんどが汗まみれで暑苦しく、見すぼらしいのが特徴的です。

そんな中、ヘストンの刑事が職権を悪用して、セレブの殺人現場から”押収”してくる品の数々、中でも生鮮食料品をエドワード・G・ロビンソンとともに調理して食べるシーンの切なさときたら。ふだんな無味無臭のクラッカーのような”ソイレント・グリーン”で糊口をしのいでいるので、ヘストンは初めて見るビーフシチューやサラダ、リンゴに舌鼓を打ち、ロビンソンは人類の愚かしさに涙する。この場面は突出して素晴らしいです。

それ以外は凡庸に展開するのですが、今あらためて見ると、劇中で描かれた2022年は通り過ぎ、食糧問題は依然として未解決のまま気候だけが変動していく現代においては、映画が公開された50年前とは違った危機感を感じる、ある種の預言映画のような味わいを持ったのが不思議です。

★★★★。スクリーンで見られて良かった。
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