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2019年02月17日12:27

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大蔵製70ミリ超大作 『太平洋戦争と姫ゆり部隊』

日本映画にはわずか3作しかない70ミリ映画のうちの1本、『太平洋戦争と姫ゆり部隊』を廃盤DVDで見ることができました。

純国産の70ミリ映画は、大映の『釈迦』(1961)と『秦・始皇帝』(1962)、そして本作(1962)しかありません。しかも大映産の2作品は資料もソフトもあるのに、『太平洋戦争と姫ゆり部隊』は、独立プロの大蔵映画作品ということもあり、データに乏しいです。
(日本の70ミリ映画第1作は『釈迦』で、第2作が本作なのに、『秦・始皇帝』が2作目とされている資料も多数あり)

すでに廃盤になっているDVDも、「沖縄復帰30周年」を記念して(銘打たれただけっぽい)、15年以上前に出た代物。70ミリ映画なのにも関わらず4:3のレターボックス収録という扱いの酷さです。

他の大蔵製怪談映画と同様、画質は最悪。唯一残っているフイルム(恐らく70ミリではなく35ミリ)からテレシネしたようで、リマスターも何も施されていません。

それでも、やっと見ることができたという喜びはあります。

1962(昭和37)年の大蔵映画作品です。

【物語】
1945年春。サイパン島が陥落し、いよいよ米軍の本土上陸が色濃くなる中、大本営では陸軍と海軍の対立が深刻化していた。台湾防衛を主張する陸軍参謀(山村聰)に対し、海軍は沖縄への戦力投入を主張していた。
3月、初の沖縄への本格的な空襲が行われ、米軍の沖縄上陸が決定的となり、32軍の牛島中将(嵐寛寿郎)は徹底抗戦と民間人の疎開のための準備を命令する。
4月、ついに米軍の大部隊が圧倒的な火力をもって沖縄に上陸する。


…沖縄戦の映画といえば岡本喜八監督『激動の昭和史 沖縄決戦』がありますが、驚くことに、あの映画よりもこちらの方がよりパノラマ的で、火薬量も多かったです。

自衛隊の協力による戦車の進撃シーンでは、本物が使われ(もっとも武器考証・車両考証は怪しい)、その迫力たるや、低予算で有名な大蔵映画とは思えないほどです。

もっともその分、キャストは非常に地味。スターと呼べるのは大蔵映画お馴染みの嵐寛寿郎と山村聰ぐらいで、しかも山村聰に至っては、冒頭の大本営で数カット登場するだけ。タイトルにある姫ゆり部隊の面々も、知らない女優ばかり。

ロケ地も沖縄ではないのがハッキリ分かります。そのあたりは大蔵映画らしい。

本当の沖縄戦を知る人からすると、噴飯ものの映画なのでしょうが、1本の映画として見ると、大迫力の戦闘シーンと薄い人間ドラマの妙なバランスや、今や絶滅危惧種となった70ミリ映画のわずかな芳香が残る作品として、このまま映画史から消え去るのは勿体ない作品です。

ところでこの映画、キネマ旬報ベースの記録では上映時間193分となっているようですが、DVDのパッケージや洋泉社「怪奇とエロスの映画史(二階堂卓也・著)では150分となっています(実際には148分でした)。もしかすると、幻の193分バージョンが存在するということに。

興味は尽きません。

★★★。
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