ふだん『歓びの毒牙』とか『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』とか『生首情痴事件』みたいな映画ばかり褒めているためか、ミュージカル映画が好きと言うと「似合わない」とか「変に意外」などと言われて困るのですが、実はオリジナル版『メリー・ポピンズ』も大好きです。
その割にはレターボックス収録の古いDVDでしか持っていなかったので、ちゃんとブルーレイで買い増しし、今回の『リターンズ』を見て来ました。
オリジナル版(1964年)から実に54年ぶりとなる続編。
2代目メリー・ポピンズにエミリー・ブラントが扮しています。
【物語】
前作から25年後、世界恐慌後のロンドン。
マイケル・バンクス(ベン・ウィショー)は大人になり、3人の子どもたちと暮らしていたが、妻を亡くし、借金の抵当に入っていた家も差し押さえられる危機にあった。姉のジェーン(エミリー・モーティマー)は労働運動の傍ら、バンクス一家を支えていた。
そんな折、3人の子どもたちの面倒を見に、メリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が再びバンクス家を訪れる。
…監督がロブ・マーシャルと聞いて、若干の心配がありましたが(いい映画もあるけれど題材的に向いていないと思ってた)、杞憂に終わったようです。随所にオリジナル版への愛情が感じられ、終始にこやかに楽しめました。
さくら通り17番地にあるバンクス家は、内装が明るくなったものの、床の模様もちゃんと25年前と同じ。役者は変わりましたが毒舌家政婦のエレンも健在です(世相のためかコックがいなくなったため、コック兼任に)。
幼かったマイケルとジェーンは大人に成長し、マイケルは銀行員に、ジェーンは運動家にと、これまた両親のDNAをちゃんと受け継いでいる様子。
そして主役のメリー・ポピンズは、かのジュリー・アンドリュースからエミリー・ブラントに変わったことの違和感を感じさせない、自然な交代です。さすがに歌唱力はデイムの方が圧倒的ですが、エミリー・ブラントも大いに好演しています。素敵です。
コリン・ファースとメリル・ストリープは脇役に徹してますが、楽しそうに演じていて見ていて気持ちがいい。
今回はマーク・シャイマンが手掛けた音楽も、オリジナルの雰囲気を壊さないミュージカル・ナンバー揃いです(なんとリチャード・シャーマンがコンサルタントとして参加してます。納得)。
物語も前作を追体験するような相似形を成しています。ただ一つ、今回の続編に無かったものといえば、静かなミュージカル・ナンバーでしょう。全編通して賑やか過ぎます。前作のセントポール寺院の鳩にエサをあげるおばあさん、ああいう情緒が欲しかったところです。
しかし、驚きのサプライズもありました。
前作で煙突掃除のバートと銀行頭取のミスター・ドースを2役演じたディック・バン・ダイクが、華麗なステップを踏んでくれることと、アンジェラ・ランズベリーが衰えぬ歌声を披露してくれることです。2人とも御年90歳超え!凄いことです。
一番の驚きは、前作でマイケルがお父さんにあげた2ペンスが、今回意外な形で一家を救うこと。必見です。
★★★★。楽しかった。
ログインしてコメントを確認・投稿する