2本の新作映画を見て来ました。
どちらも上映時間2時間強の長尺であること以外は国籍もジャンルも異なる映画ですが、目的のために必死で努力する男を描いているという点では共通しています。
いずれも大いに見ごたえがありました。
●『パッドマン 5億人の女性を救った男』 (インド)
安価な女性用生理用品を作り上げた男の実話ベースの物語です。
【物語】
2001年、インド。
工務店で働き、手先が器用なラクシュミ(アクシャイ・クマール)は、愛する新妻が不衛生な生理用品を使っていることを知り、しかも生理中は”穢れ”とされ屋外で生活しなければならない事に憤り、安価なナプキンの開発を始める。
しかし周囲の理解を得られず、ついには村を追い出されてしまうが、ラクシュミの開発への情熱はどんどん過熱していく。
…インド映画らしく、長尺(140分・一瞬のインターミッション入り)でミュージカルナンバーもあり、華やかな映画です。しかし題材は極めて真面目なもの。この手のテーマが娯楽性を伴ったエンタテーンメントとして映画化されることは日本でもアメリカでも稀なので、よくインドで映画化できたと思います。
多分に脚色されているのでしょうが、芯の部分は真面目なので、ただのボリウッド製娯楽映画とは一線を画する出来です。苦労が認められた主人公が国連で演説するシーンは感動的で、しかも実際に国連本部でロケをしており、製作陣の本気度が伺えます。
★★★。良作でした。
●『クリード 炎の宿敵』(アメリカ)
『ロッキー』シリーズの第8作にして、スピンオフ第2弾です。
第6作『ロッキー・ザ・ファイナル』と前作『クリード チャンプを継ぐ男』はいずれも傑作でしたが、本作もまた胸熱展開の感動作でした。
【物語】
ついに王者の地位を勝ち取ったボクサーのクリード(マイケル・B・ジョーダン)。
恋人ビアンカ(テッサ・トンプソン)に求婚し、私生活も充実してきたクリードに、かつて父アポロの命をリングで奪ったイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)とその息子ビクター(フローリアン・ムンテアヌ)が挑戦状を叩きつけてきた。
クリードのセコンドを務め、30年前にモスクワでイワンを倒したロッキー(シルベスター・スタローン)は、相手の目的が怒りに満ちた復讐であることを見抜き、挑戦を無視するべきだと忠告するが、クリードはこれを受けてしまう。
…『ロッキー4/炎の友情』のロシア人ボクサー、ドラゴ=ドルフ・ラングレンが30年ぶりに登場。イワンの息子vsアポロの息子という世代を超えた対決が実現し、それだけでも熱さは満点なのですが、老境の域に達したロッキーと宿敵ドラゴの因縁の対決という代理戦争の構図もあり、2重に楽しめます。
30年前の敗戦以来、ロシアで辛酸を舐めてきたドラゴが「貴様に野良犬の暮らしが分かるか」と詰め寄ると、「この街じゃ野良犬は駆逐されるんだぜ」と言い放つロッキー。痺れました。
『ザ・ファイナル』以降、枯れた味わいが出せるようになったスタローンは、本作の演技がベストと思います。”エイドリアンズ”でひとりピザ生地をこねる後ろ姿、オレンジジュースで薬を流し込む老いた男。しかしリングでは、水を得た魚のように的確に指示を出し、実況のキャスターをも唸らせるプロフェッショナルぶりを発揮。
クリードにかける最後の言葉がまた最高。40年間、映画の仕事をしてきたプロの俳優の勇姿です。★★★★。
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