カンヌ国際映画祭で脚本賞・男優賞を受賞した映画『ビューティフル・デイ』を見て来ました。
殺し屋映画と書きましたが、主人公は明確な殺し屋ではなく、あえて言うならば”連れ戻し屋”。主人公の出自を明らかにせず、ただある一つの仕事に絞って見せた、これは特異な映画です。
【物語】
家出少女などを強引な手法で連れ戻す仕事をしているジョー(ホアキン・フェニックス)。過去の事件からのトラウマを抱えるジョーの新しい仕事は、州知事スタッフの消えた娘ニーナ(エカテリーナ・サムソーノフ)を連れ戻し、犯人に制裁を加えることだった。
いつものように準備をし、売春宿にとらわれていたニーナを救い出したジョーだったが、依頼主が自殺したことをニュースで知る。その直後、襲ってきた警官にニーナを奪い返され、仕事仲間や母親を殺されたジョーは、復讐に燃え、ある行動に出る。
…『インヒアレント・ヴァイス』では、陽気にドラッグに溺れる探偵を演じたホアキン・フェニックスが、ここでも探偵のような役。しきりにフラッシュバックするトラウマに苦しみつつ、半裸で仕事をこなす異常な姿がハマリ役です。
売春を強要される少女ニーナ役のエカテリーナ・サムソーノフも強烈で、『レオン』のナタリー・ポートマンとは対照的な、殺し屋に寄り添う少女を好演しています。インパクトのあるクール・ビューティがいたものです。
P・T・アンダーソン監督の常連、ジョニー・グリーンウッドの爆音のような音楽が不安を掻き立て、リン・ラムジー監督の演出もこれまた緊張感が高く、95分の上映時間が3時間ぐらいに感じられるほど。苦味と爽快感がからみ合う不思議なラストが焼き付きました。
★★★。
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