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2016年01月17日10:40

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白鯨とは闘ってない 『白鯨との闘い 3D』

ロン・ハワード監督の最新作『白鯨との闘い』を見て来ました。

19世紀アメリカを代表する小説家ハーマン・メルヴィルが「白鯨」を執筆するきっかけとなった出来事を描いた作品です。


【物語】
1850年。作家のメルヴィル(ベン・ウィショー)は、ある宿屋の主人(ブレンダン・グリーソン)のもとを取材に訪れる。主人は、30年前におきた捕鯨船”エセックス号”の悲劇の生き残りだった。口の重かった主人はメルヴィルに説得され、語り始める。

30年前、捕鯨船エセックス号は、需要の高まる鯨油の獲得のために出航した。
家柄だけで選ばれたポラード船長(ベンジャミン・ウォーカー)と、百戦錬磨の一等航海士チェイス(クリス・ヘムズワース)は激しく対立し、船内には険悪な空気が流れ始める。

数か月の航海ののち、太平洋上で鯨の大群に遭遇したエセックス号だったが、群れを率いていた巨大な白クジラの攻撃を受け、沈没してしまう。生き残った乗組員たちの悪夢のような漂流が始まる。


…大作をソツなく撮る割には際立った特徴に欠けるロン・ハワード監督。『遥かなる大地へ』も『アポロ13』も『ビューティフル・マインド』も面白くはあるのだけれど、パンチがない…という印象の監督です(いい作品も中にはあり、『身代金』『天使と悪魔』『RUSH』は良作と思います)。

この大作は残念ながら前者の(特徴のない)部類に入る作品でした。

※ご注意。以下、若干のネタバレを含みます※

本編よりも、日米での宣伝方法の違いの方が面白い。
原題は"IN THE HEART OF THE SEA"で、直訳すれば「海の魂の中に」とでもなるでしょうが、それでは弱いと日本の宣伝部で判断したのでしょう。日米両方のポスターを比べても、日本の方がアクション色を全面に押し出しているのがハリウッド映画には珍しいです。

そもそもこの邦題『白鯨との闘い』には誤りというか、ミスリードがあります。
劇中での主人公たちは、白鯨とはほとんど闘わないのですから(クジラの方が圧倒的に巨大で強すぎて人間は歯が立たない)。

そもそも白鯨との闘いのシーンが少ないので、スペクタクルな3D効果を期待して見ると拍子抜けしてしまうでしょう。

それよりも、監督の興味は、数か月間に渡る漂流地獄の方にあったようです。

水も食糧も無いなかでの漂流生活となると、生き残るためにたどり着く解決法は少ない訳で、そこは映画館で確かめてもらうしかないとして、その解決法の是非も万人向けではないことだけは確かです。

映画の最後で、「ペンシルバニアで地面の中から油が湧き出たらしい」という会話が登場します。
燃料としての鯨油の確保に命をかける男たちの物語が、石油の登場で終焉を迎えることをほのめかすセリフで、ここは良かったです。

★★★。
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