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2026年08月05日19:23

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『開戦前夜』に感じた問題点

本編よりも訴訟沙汰の方が何かと話題の映画『開戦前夜』を見てきました。
映画というか、TVの再編集版を映画の形に整えたような作品です。

石井裕也監督の『舟を編む』は好きでしたが、今回のは駄目でした。

【物語】
昭和16年。帝大を主席で卒業し、今は農業系の金融機関に勤める宇治田洋一(池松壮亮)は、ある日突然に内閣からの招集を受ける。集合した先には、官民両方から集められた若きエリートたちがいた。彼らは、アメリカとの総力戦を想定した模擬内閣を作ることで、戦火の行方をシミュレーションするよう指示される。

…この題材で、映画的に見せようとするならば、池松壮亮演じる(模擬内閣の)首相が気づいた「恐ろしさ」をデータで理論的に観客に示すことが必要だったのではと思います。演技とセリフだけでは、当事者たちの焦りが伝わってきたとは言い難いです。極論ですが、山崎貴監督のような、物語を演出で見せるよりも映像で語るタイプの監督の方が、そもそも向いていたのではと思ってしまいます。

「時代の空気感」が日本を焦土にしたのだという骨子が説教臭くもあり、石井監督の表現の限界を見てしまったようでもあって、結局それが國村準演じる研究所所長(劇中では訴訟を意識してか所長とは言われない)を分かりやすい悪玉に仕立ててしまった浅はかさに繋がってます。

映画として見たとしても、もとがTVなのでセットも構図もTV的なのは仕方ないとしても、それでもどうにか頑張って映画に見せようとしている背伸び感ばかりが先行し、没入体験とは程遠かったです。この点でも、熱気と緊張感に満ちていた岡本喜八『日本のいちばん長い日』と比べるべくもない作品だったと言わざるを得ません。

★★。
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