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2026年04月05日22:57

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フィルムが再発見された大作『あゝ野麦峠』

大作映画でありながら個人製作のためか、長らくフィルムが行方不明だった『あゝ野麦峠』をWOWOWで見ることができました。初放送です。

東宝映画ですが、プロデューサーが映画とは無関係の実業家で、権利関係のためか長らく見ることができなかった作品です。現在は、東宝がフイルムを保有しています。

1979(昭和54)年の作品。ビスタサイズ、2時間34分の大作です。
キネマ旬報ベストテン第9位。

【物語】
明治。生まれ故郷を離れ、岡谷の製糸工場に勤めることになった少女・みね(大竹しのぶ)。不遇な境遇の少女たちとともに、雪の野麦峠を越えて工場にやってきたみねは、長時間で過酷な労働の日々を送る。わずかだが楽しい瞬間もある日々でもあったが、やがてみねは病にかかってしまう。

…悲劇の主人公、政井みねは実在の少女で、野麦峠には像もあるとか。
断片的に知ってはいましたが、過酷で劣悪な環境での労働シーンは見ていてかなり酷です。

日本のセシル・B・デミル=山本薩夫監督は、それでも悲劇だけに終始せず、季節ごとのエピソードや、少女たちの恋愛模様などを巧みに挟みこみ、一筆で描き切ります。

出てくる男どもが地井武男以外ほとんどみんなクズなのが強烈。
成金趣味の工場主に三國連太郎、酒浸りなみねの親父に西村晃など、憎たらしさを演じたら一級品のベテランが揃っています。

もとが史実なので、娯楽映画として評価するのは忍びない面もあるのですが、大作映画としての見応えは充分。現代の繁栄が、100年以上前の少女たちの血と涙の上にあるということを考えてしまいます。

門外不出のフイルムからテレシネされたためか、画質が超絶綺麗。
ソフト化されていない続編『新緑篇』(1982)も同時放送されたので、こちらも見てみましょう。

★★★。
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