リドリー・スコット御大、86歳渾身の超大作映画『ナポレオン』を見て来ました。
奇しくも同じナポレオンを扱った70ミリ大作『ワーテルロー』(1970)と同じ、コロムビア映画です(appleとの共同製作)。
【物語】
1793年、フランス革命直後のパリでマリー・アントワネットが処刑された。
熱狂する群衆の中に、ひとり冷めた目で処刑を見ていた将校・ナポレオン(ホアキン・フェニックス)がいた。トゥーロン港で英国軍の戦艦を撃破したナポレオンは、軍人として頭角を現し、やがて皇帝へと上り詰める。その後ろには皇后ジョセフィーヌ(バネッサ・カービー)がいた。
…世界史が好きでスペクタクル映画好き、しかも毎回新作を楽しみにしているリドリー・スコット監督作品とあっては期待せずにはいられず、また期待を裏切らない出来で、大いに満足です。
古くはアベル・ガンス監督の”トリプル・エクラン”=『ナポレオン』(1927)あり、先述の『ワーテルロー』ありと、ナポレオンに関する映画は多いですが、本作は中でもナポレオンという男そのものにスポットを当てた作品。
コルシカ島の外交官の家の出でありながら、皇帝になった男。
粗野で下品で女好きの一方、妻を愛し、軍人としては戦術に長け、天下を取った男という役は、ホアキン・フェニックスのハマリ役です。バネッサ・カービー演じるジョセフィーヌも、絵画から抜け出してきたような古いヨーロッパの顔立ちで気品があり(『ミッション・インポッシブル』最新作が記憶に新しい)、夫を愛しながらも恨みを隠さず情念を燃やすという難しいキャラクターで、実に凛として演じておりました。
戦史に残る有名な戦いがいくつも描かれる中で、アウステルリッツの戦いが白眉です。
無常さに満ちており、撮影の美しさも相まって、残虐さが際立っています。
トラファルガー海戦が描かれなかったのが唯一の残念。
もっとも、監督御大によると、4時間半のディレクターズ・カット版が存在するそうで、それが見られるならapple TVに加入しても良いです。
★★★★。スペクタクルこそ映画の醍醐味!
ログインしてコメントを確認・投稿する