先行上映された配信作『ホワイト・ノイズ』を劇場で見て来ました。
この映画、A24と『ハリー・ポッター』のヘイデイ・フィルムズ(と配信会社)の共同作品のようなのですが、クリスマス・プディングと燻製珍味を同時に出されたような変な組み合わせで、作品自体も拍子抜けというか、見る人を相当選ぶこと必至です。
【物語】
たぶん'70年代のアメリカ。
大学教授のジャック(アダム・ドライバー)は、妻(グレタ・カーウィグ)や子どもたちと平和に暮らしていた。しかしある日、危険な化学物質を満載した列車が町の郊外で事故を起こし、ジャックたちは避難を余儀なくされる。
汚染物質を含むという雨を浴びてしまったジャックは、死の危険に怯えるが、妻は別の問題を抱えていた。
…これだけ書くと社会派なパニック映画のようでもありますが、ブラックなコメディに近く、かなりシュールな作品です。アダム・ドライバー演じる大学教授は、専門のナチズムを大熱演で教えているし、グレタ・カーウィグの妻は、謎の処方薬を服用し続けています。非常事態が起きてもパニックになるのは子供たちの方で、両親はどこかシニカルな目線で見ており、変わり者の家族であることが強調されているようです。
災害やテロにさらされる現代を風刺しているのかもしれませんが、今イチ掴みどころのない作品です。
最後は町の大型スーパーで陽気に踊る住民たちの姿にエンド・クレジットが重なり、白昼夢を見ていたかのような2時間20分が明るく終わります。
配信専用に作られた映画は、一部を除いて、興行や製作上の制約を意識せずに自由に作家性を注入できる反面、見る人の存在を忘れてぶちまける、といったものが多いように思います(先日の『バルト』もそう)。良くも悪くも。
★★。
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