世の中には絶対にリメイクしてはいけない映画というのがあって、それでも手を出して失敗した映画がゴマンとある中、スピルバーグが35ミリフイルムで撮った『ウエスト・サイド・ストーリー』をIMAXで見て来ました。
1961年作のオリジナル版(もともとが舞台なのでこの言い方は正確ではなく、映画としてのオリジナル版という意味で…)は、もはや誰も疑う者のいない聖域とも言うべき作品。それを、あえて時代設定も変えずにリメイクです。上映時間もほぼ同じ。
正直、今のこの時代にこれほど刺さる、新しい映画に仕上がってるとは思ってもみませんでした。
スピルバーグのフィルモグラフィの中でも、傑作の部類に入るのは疑いなしでしょう。
【物語】
ニューヨークのウエストサイド地区では、ポーランド系の”ジェッツ”と、プエルトリコ系移民の”シャークス”が激しく対立していた。
シャークスのリーダー、ベルナルドの妹マリア(レイチェル・ゼグラー)は、ジェッツのトニー(アンセル・エルゴード)と互いに惹かれ合い、恋に落ちる。
一方では、2つのチームは一触即発の危機に陥っていく。
…ミュージカル映画史上に残るナンバーの数々、”トゥナイト”や”アメリカ”が装いも新たにスクリーンに蘇ります。61年版では吹き替えだった歌曲も、今回は役者本人の歌唱によるもの。マリア役のレイチェル・ゼグラーは、これが初主演とは思えぬほどの歌唱力を見せてくれます。アニータ役のアリアナ・デボーズも良かった。
オリジナル版のアニータを演じてアカデミー賞を受賞したリタ・モレノが、プロデューサーを兼ねて再び出演。ただのカメオ出演ではない重要な役で、歌声も披露しています。
撮影のヤヌス・カミンスキー、編集のマイケル・カーンなど、スピルバーグ組ではお馴染みのスタッフが揃っています。音楽はオリジナル版のレナード・バーンスタインとスティーブン・ソンドハイムが手がけたものを、アレンジを加えつつ使用。名匠ジョン・ウィリアムズもコンサルタントとして参加しています。
差別の果てには悲劇しかないという普遍的なテーマもオリジナル版と変わらないのに、より深く掘り下げられており、現代の観客にも共感できるよう演出したスピルバーグの腕は称賛に価するものです。
IMAX推奨。できればデジタルではなく、フイルム上映で見たいところ。往年のハリウッド映画を再現したかのような色彩も素晴らしいです。
★★★★。
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