ベストセラー小説を、後期ジブリのスタッフが中心となって映画化した『鹿の王』を見て来ました。
この映画、チラシやポスターをみると”ユナと約束の旅”という副題がついていますが、映画本編にはどこにも出てこなかったので、ここでは単に『鹿の王』としています。
(宮崎駿の絵本「シュナの旅」を激しく連想させます)
【物語】
かつて激しく対立してた帝国と王国の争いは、今や沈静化していたが、”黒狼熱=ミッツァル”と呼ばれる不治の病が流行し、人びとの間に暗い影を落としていた。
伝説の戦士だったヴァン(声:堤真一)は、奴隷として地下の岩塩坑で働いていたある日、山犬の大群が押し寄せ、腕を噛まれる。混乱の最中、偶然拾った少女ユナとともに地上に脱出したヴァンには、ミッツァルへの抗体があった。それに気づいた医師のホッサル(声:竹内涼真)は、ヴァンを追う。
…原作を読んでいれば分かるであろう固有名詞の多くが、劇中ではあまり説明されないので、膨大な量の語句を頭の中で整理しながら見ないといけません。ストーリーもカオスすれすれの展開を見せるので、付いて行くのがやっとです。
『もののけ姫』の呪詛のカタマリのような粘膜におおわれた山犬が、劇中での病気を分かりやすく表現しています。公開の時期を考えても、現実世界での感染症拡大を意識したかのような作り。映画の中では分かりやすく可視化された存在だった病気ですが、目に見えない現実のあのウィルスの方がはるかに恐ろしく、将来も見通せない中、幸せなラストを迎える映画とのギャップから、隔世の感を覚えてしまいました。
★★★。もし10年前に見ていたら、また違った感想だったと思われます。
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