細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』を見て来ました。
驚きました。圧巻で恍惚の120分でした。
シネマスコープ・サイズの巨大画面を彩る極彩色の歌の祭典に酔いしれます。
【物語】
高知の田舎に暮らす女子高生のすず(声:中村佳穂)は、50億人が利用する世界最大の仮想世界”U(ユー)”では、驚異のフォロワー数を持つ歌姫”Belle”であった。現実世界でのすずは母を亡くし、歌う事もできず、目立たぬ存在だった。
ある時、Uでのライブに攻撃的な竜が現れ、世間は騒然となる。竜の正体探しが始まる中、すずは次第に竜に惹かれてゆく。
…同監督の前2作、『おおかみこども』『未来のミライ』で感じた戸惑いが消えました。
『サマーウォーズ』とよく似た仮想空間を舞台としつつも、あの映画では描かれなかったネット上での誹謗中傷の恐ろしさと虚しさにも向き合い、進化しています。
物語の骨子は『美女と野獣』のようです(もちろんジャン・コクトーのそれではなく、ディズニーの映画版にインスパイアされています)。主人公の仮想空間でのキャラクターデザインはディズニーのスタッフによるものだし、美術にも海外のスタッフが導入され、これまでの同監督のどの映画よりもカオスな印象が楽しいです。
圧巻なのはヒロインの歌です。シネスコ・サイズの巨大画面にパノラマ的に展開する歌唱シーンは圧倒的です。ただ大きいだけなのではなく、アニメーションで歌を意識することは多くはない中、歌を通して突っ走ってゆくヒロイン像というのが見ていて快感です。
カタルシス満載のクライマックスのあとに、現実的でミニマムなラストが待ち受けている2重構造も新鮮でした。声を彩る俳優たちも多彩。アニメーション畑出身ではない超ベテラン歌手から大御所声優まで、適材適所です。
★★★★。IMAX版も見てみないと。
ログインしてコメントを確認・投稿する