チェコの映画監督(というより映画作家という言い方が近い)カレル・ゼマンの代表作、『ほら男爵の冒険』を国内盤BDで見ました。
ジュール・ヴェルヌを映画化した『悪魔の発明』との2枚組BDで、デジタル・リマスターによって蘇った美しい映像に息を呑みます。
1961年・チェコスロバキア映画。本邦未公開。
カラー/スタンダードサイズです。
【物語】
地球からのロケットが月面に着陸。宇宙飛行士の青年トニークが月に降り立つが、月にはすでに「大砲クラブ※」の面々やシラノ・ド・ベルジュラック、そしてほら男爵=ミュンヒハウゼン男爵がいた。
月の人と勘違いされたトニークは、男爵の案内で地球へ。トルコの王宮から姫を救い出し、巨大な怪魚に飲み込まれるなど、数々の冒険を経験する。
(※大砲クラブ … ヴェルヌの「地球から月へ」に登場する紳士たち)
…銅版画のような背景、アニメーションと実写を組み合わせたユニークな映像に目を奪われます。『悪魔の発明』はモノクロでしたが、こちらはカラー。鮮やかな黄色や赤によって染められた映像は、サイレント映画のころの染色されたフイルムのようです。
映画ってやはり、イマジネーションなのですね。どんなに3DCGやVFXが進歩しても、想像力がないとつまらない。カレル・ゼマンの映画には、いつだって想像力があふれています。だから色あせない。
物語は他愛のないものですが、温かさに満ちています。最近の映画が忘れかけているものです。
★★★。
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