チャン・イーモウ監督の中国映画『SHADOW/影武者』を見て来ました。
最近は、反日大作や珍品『グレートウォール』を撮ったりと迷走しているように見えた同監督ですが、今回は映画美術の結晶のような美しい作品でした。
【物語】
古代中国、”ペイ”国は、大国”炎国”に領土・境州を奪われていたが、ペイ国の若き王(チェン・カイ)は、それに甘んじていた。しかし、王の重心であり、国民からも慕われる部下の都督(ダン・チャオ)は境州の奪還を主張し、王と対立していた。
実は都督は影武者(ダン・チャオ2役)であり、本物の都督は病床に臥せっていたが、影武者を通じてある策略を練っていた。
…劇中、ずっと雨が降っているのが印象的です。そのせいか色彩は白黒で淡く、水墨画を見ているようです。黒澤明の白黒映画を見ているようでもありました。
宮廷と、主人公が暮らす洞窟のような隠れ家のセットが素晴らしく、奥行きを感じさせ、シネマスコープの横長画面をうまく生かしています。ただワイドなだけの最近の映画とは一線を画する撮影技術です。
物語のベースは三国志のようですが、シェイクスピア劇を連想させる、陰謀うずまく展開を見せます。2役を演じたダン・チャオは、まるで違う声色・表情で2役を思わせず、見事でした。
その妻を演じるスン・リーの危うい美しさは必見です。
★★★★。
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