大林宣彦監督の『瞳の中の暗殺者』をWOWOWで見ました。
ブラック・ジャックが好きなので、原作短編「春一番」を収録した本も持っています。
どちらかと言えば悪名に近い、大林=宍戸錠版の実写ブラック・ジャック。悪名と言うのは正しかったようです。よい部分もありましたが、悪目立ちする場面が多い怪作です。
1977(昭和52)年の東宝映画です。
【物語】
女学生の千晶(片平なぎさ)は、テニスの練習中に左眼にボールが当たり、失明してしまう。治療は不可能だった。
責任を感じたコーチの今岡(山本伸吾)は、天才的な名医だが無免許医であるブラック・ジャック(宍戸錠)に移植手術を依頼。アイバンクから眼球を盗み出し、ブラック・ジャックの手術も成功する。
やがて視力を回復した千晶だったが、ある男の幻影に悩まされるようになる。
…手塚治虫の原作「春一番」が小品なので、90分強の長編映画にどうやって仕立て上げるのか興味がありました。案の定、千晶と謎の男・風間(峰岸徹)のロマンスに重点を置き、ブラック・ジャック先生は狂言回しのような役に徹することで、何とか引き延ばしているようでした。
宍戸錠=ブラック・ジャックの怪演とメイクが強烈すぎます。
室内でもコートを着ているし、室内なのに風が吹いてコートが翻る。手塚先生も苦言を呈したというツギハギメイクはさすがにやりすぎ(しかも”J”のネックレスがチラつく不思議なナルシストぶり)。
崖の上に建つブラック・ジャックの自宅兼診療所の造形は良く、遠景からのショット(マット・ペインティング?)はシネマスコープのワイド画面によく映えています。
アニメーションによるオープニング・タイトルも悪くないのに(そのままアニメでやってくれた方がより良かったと思いますが)、強烈メイクがすべてをさらってしまいます。
一番凄いのは、『HOUSE』から公開数か月でこの映画を大林宣彦にまかせた当時の東宝です。
★★★。
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