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2018年07月29日09:24

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力作だった 「悪魔が来りて笛を吹く」

吉岡秀隆が金田一耕助に扮したBS NHK長編ドラマ「悪魔が来りて笛を吹く」を見ました。

古くは片岡千恵蔵版の映画があり(フイルム現存せず)、ドラマでも古谷一行、片岡鶴太郎、稲垣吾郎らが金田一耕助に扮して映像化されています。

最も有名なのは東映で映画化された西田敏行版で、1979(昭和54)年の作品。あの大長編を135分にまとめており、原作とは要所要所で異なるものの、雰囲気もよく良作です。

今回のドラマ版(120分)は、『探偵はBARにいる3』を手掛けた吉田照幸が監督(演出)。
西田敏行版よりさらに15分短い尺で、良くまとめ上げたと思います。

【物語】
昭和22年、東京。
宝石店・天銀堂で起きた強盗殺人事件の容疑を受けた椿子爵が自殺する。
子爵の娘・美禰子(志田未来)は、父の生存を疑い、探偵の金田一耕助(吉岡秀隆)に調査を依頼。金田一は椿邸で行われた砂占いに参加するが、不可解な出来事が起こる。
翌日、椿邸で密室殺人事件が発生する。


…横溝正史の金田一シリーズ史上、最も爛れた泥沼のような人間関係が惨劇を生む、壮絶なミステリーです。よくNHKでこれを新作したものです。

若手監督の吉田照幸らしく、演出は現代風(ドロドロ愛憎劇の回顧シーンもドライ)。挿入歌もロックで、「東京ブギウギ」なんて絶対にかからない。その辺は好みが分かれるところです。

ハイビジョン制作の映像のコントラストがキツくて、長谷川博己版「獄門島」より鮮やかな色彩なのが特徴。これまでの映像作品のような薄暗い洋館ではなく、照明の行き届いた、明るい文化財建築に違和感を覚えるほどです。

反して吉岡秀隆の金田一耕助は、原作のイメージにかなり近い印象でした。

終始困ったような顔をして、時に感情的になりがちなのですが、ラストでフルートの”悪魔が来りて笛を吹く”を聞いた瞬間、ある事実に気づいて慟哭する姿は、石坂浩二が演じた金田一像に近いように見えました。

長谷川博己=金田一よりも暖かみを感じる人間像です。家主とのユーモラスなやりとりもあります。


前作「獄門島」のラストでは、次回作が「悪魔が来りて…」であることを示唆されていましたが、今度も、ラストに次回作が暗示されて幕となります。その次回作とは……本気でやるなら120分じゃあ足りない超大作です。


★★★★。欲を言えば、もう少し有名俳優を配置して欲しかったなあ。
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