ロードショー時に見逃していたホラー映画『ジェーン・ドウの解剖』を見ました。
『クリムゾン・ピーク』以来、ビビッと来た個人的ストライクなホラー映画。90分に満たない短い上映時間、ムダなく堪能できました。
かなり生々しい解剖シーンが連続するので、万人向けではありません(R+15指定)。
【物語】
閑静な住宅街で惨殺事件が発生。遺体の多くは激しく損傷していたが、ただひとつ、外傷のない全裸遺体があった。身元不明のその遺体は若い女性のもので、”ジェーン・ドウ”と名付けられ、検死に送られる。
親子で検死と火葬場を営んでいる検死官の父トミー(ブライアン・コックス)と息子のオースティン(エミール・ハーシュ)は、ジェーン・ドウの解剖を進めるにつれて不可解な事実を発見する。その遺体には外傷がないにも関わらず、内臓が激しく損傷していたのだった。
…見たくて仕方のないクラシック・ホラーに『死体解剖記』(1959)という映画があります。
大蔵映画から配給されたので、とんでもない邦題が付けられていますが、一応実話を基にした映画です(ピーター・カッシングとドナルド・プレザンスが共演。見たい見たい)。
『ジェーン・ドウの解剖』は、その映画とはまったく異なるホラーです。舞台は遺体の安置所兼解剖室で、主な登場人物は1組の親子と女の遺体。外傷はなく死因は不明なのに内臓は傷だらけ。一体どうして?という謎解きと、解剖の進行に比例して発生する悪夢のような現象がバランスよく展開。飽きさせません。
衝撃の事実が明らかになるも、理論的(極めてホラー映画的)な決着を見せるので、綺麗にまとまりすぎた感はあります。しかし、とことん不条理なまま終わる近年の和製ホラーとは一線を画する出来で、サスペンスとしての見ごたえもありました。
終始動かない、死体役に徹した女優=オルウェン・ケリーが美しい。ホラー映画にありがちな、突然ガバッと起き上がるような演出もなく、ただじっと解剖されていく姿に哀しさがありました。
★★★★。傑作です。
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