内館牧子の同名小説を、ホラー映画界の中田秀夫監督が映画化した『終わった人』を見て来ました。
純然なコメディではななく、笑いも感動も涙も…と詰め込んだ結果、焦点のボヤけた出来となっていますが、面白い部分も多い映画ではあります。
【物語】
東大法学部を出て一流銀行に勤めるも、出世コースからはちょっと外れて子会社の専務取締役だった田代壮介(舘ひろし)が、定年退職の日を迎えた。「会社に行かなくてもいい」日が始まるが、仕事一筋だった壮介にはやることがなく、妻(黒木瞳)からも疎まれる。
一念発起して大学院に進学することを決めた壮介は、その準備のためにとカルチャースクールに通い始めるが、受付の久里(広末涼子)との出会いに何かを期待してしまう。
やがて、思いもよらぬ出来事が壮介の身に降りかかるが…。
…定年を迎えたとたん廃人のようになる男を、舘ひろしが好演しています。元よりダンディさが売りの俳優だけに、そのダンディさが笑いに昇華するシーンが何度もあり、悲哀もにじみ出ていて面白いです。
それだけに、後半からのシリアスな展開は波乱万丈すぎて付いていけず。
「終わった人」どころか、そこからが衝撃展開の幕開けとなります。
「高学歴・高職歴」という舘ひろしの設定が生かせないまま(つまり期待していた大逆転が起こらないまま)映画は収束してしまうので、尻すぼみ感がありました。
コメディとして徹してくれれば良作になったのに。惜しい映画です。
★★★。
ログインしてコメントを確認・投稿する