映画館で見た新作が2本とも大変な甘口だったので、口直しにと思い、ピーター・ボグダビノッチ監督の古き良き映画『ニッケルオデオン』をホームシアターで見ました。
10年近く前にDVDを買っていて、見ていなかったタイトルです。
DVD全盛期にパイオニアLDCからソフトが出ていましたが、スタジオカナルに権利が移り、ユニヴァーサルから出ていた廉価版DVDです。
機械的で不自然すぎる日本語字幕で有名なスタジオカナルの作品だけに、字幕は劣悪でした。
(映画の内容とは関係ないですが…)。
1976(昭和51)年のアメリカ、コロムビア映画です。
【物語】
1910年、シカゴ。黎明期の映画産業では、独立系の小プロダクションが乱立し、大予算の大手プロダクションから目の敵にされていた。
弁護士のレオ(ライアン・オニール)は、ふとしたことから弱小プロ・キネマグラフ社の社長に買われ、脚本家として雇われる。新作を撮影中の監督が失踪したことから、監督に昇進してしまったレオは、大手プロから嫌がらせに来たバック(バート・レイノルズ)や、撮影現場にいた少女アリス(テイタム・オニール)らと意気投合し、映画製作にのめり込んでいく。
…『ラスト・ショー』『ペーパー・ムーン』では郷愁をさそうノスタルジックな演出が見事だったボグダビノッチ監督ですが、スラップスティック調のこの映画では、過剰なギャグとシリアスなシーンとがせめぎ合い、チグハグな印象を受けます。
サイレント喜劇を70年代に復活させて成功したメル・ブルックス(『サイレント・ムービー』)は、監督・主演のメル自身に加え、芸達者なコメディアンを揃えていたため見応えがありました。しかしこの映画だと、スラップスティックには不向きなオニール親子に、肉体派バート・レイノルズ、強面のブライアン・キースと、このメンバーでコメディを作るのは相当難しいと予想できたはずです。
郷愁だけで良い映画は作れないということを立証してしまった残念作です。
ただ一つ、主人公たちがD・W・グリフィスの『国民の創生』を見て、完成度の高さにうなだれるというシーンだけは良かったです。★★★。
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