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2017年09月18日23:43

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探偵不在の探偵映画 『配達されない三通の手紙』

今日は祝日で時間もあったので、我が家のホームシアターのアンプをアップグレード。
サラウンドスピーカーも調整して、音が格段に良くなりました。

古い映画を見ることが多く、その場合ほとんどの音声はモノラルなので、モノラルが生きるように設定。

調整後の第1回作品として選んだのが、野村芳太郎監督の『配達されない三通の手紙』です。映画もちょうど未見でした。国内盤ブルーレイが出ていますが、今日見たのはDVDです。

1979(昭和54)年の松竹映画です。


【物語】
山口に代々続く、名門・唐沢家。
当主の唐沢光政(佐分利信)は銀行の頭取であり、大変な資産家であったが、長女・麗子(小川真由美)は勘当されており、次女の紀子(栗原小巻)は結婚を目前にして婚約者・敏行(片岡孝夫)が蒸発していて、家族に問題を抱えていた。
そんな折、3年前に蒸発していた敏行が突然戻ってきた。復縁を申し出る敏行に、光政は、銀行で働くことを条件にこれを認め、紀子と正式に結婚する。
しかし、唐沢家に引っ越してきた敏行の荷物から三通の手紙が発見されたことから、紀子はあることを疑い始める。


…原作はエラリィ・クイーンのミステリーで、それを現代日本の山口県に置き換えて映画化。なんと脚本は新藤兼人です(原作者と野村監督がニューヨークで歓談するシーンが予告編にあり、大掛かりなプロジェクトであったことが伺えます)。

野村芳太郎監督は、『砂の器』(1974)、『八つ墓村』(1977)のヒットに続いてこの原作を選んだのでしょう。実に大胆です(このあともアガサ・クリスティを映画化した『危険な女たち』を撮っています)。

探偵小説の映画化ですが探偵は登場せず、その役割を担っているのが、日米ハーフのロバート。佐分利信=光政の甥で、日本文化を学ぶ大学生という役柄です。カタコトの日本語を使いつつ(たまに妙な言い回しで笑いを取る)、唐沢一族と血が繋がっているとはいえ、離れた視点で事件を観察し、推理を展開していきます。金田一耕助ほどのインパクトはありませんが、陰鬱な物語にあって唯一さわやかな役なのが救いでした。

ミステリーというよりも伝奇映画として強烈だった『砂の器』『八つ墓村』よりは探偵ものらしいのに、ミステリーとしての芯が弱く、最初の事件が起きるまで90分も待つのはやや苦痛でした。


★★★。超大作時代が終焉を迎えつつあった頃の日本映画は、興行的には斜陽でも、こうしてソフトで見るとウェルメイドな出来栄えです。屋内セットが中心となる作品なので、ホームシアターの音響チェックにもちょうど良い映画でした。
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