化けて出てでも見たかった60年代英国製ホラー映画…『怪奇ミイラ男』『狂ったメス』『妖女ゴーゴン』が一気にDVD化されたので、大急ぎで注文して購入。2本を立て続けに見ました。
ソニー・ピクチャーズから不定期に出ているオンデマンドDVDの一環で、このレーベルからは予告なしにとんでもない映画が出るのが困りものです(うれしい意味で)。
初期のタイトルは、4:3にトリミングされた上に画質も中の下…といった代物が多かったのですが、最近のは非常に品質が良い。今回見た2作も高画質です。
●『怪奇ミイラ男』 (1964年)
名門ハマー・フィルムの『ミイラ』第2弾…といっても前作ともこのあとの第3作とも関連性はありません。カラー・シネマスコープの作品ながら、なぜか本邦未公開です。
英国の調査隊がエジプトで王のミイラを発見し、ロンドンに持ち帰るが、蘇ったミイラが次々と殺人を犯すという物語。
ストーリーとあまり関係ない残虐描写が連続し、今見ても充分えげつないのが魅力(日本未公開の理由は恐らくコレ)。なぜか片手を切り落とされる犠牲者が続出する謎の展開が続きます。
前作でクリストファー・リー御大が演じたミイラほどしみじみしてなくて、でくの棒のような動きしかできないミイラが残念ですが、王の墓の豪華な調度品など、美術に大いに見どころあり。哀しいラストも印象的です。★★★。
●『狂ったメス』 (1968年)
英国にしては珍しく陽光あふれるスウィンギング・ロンドンを舞台に、我がピーター・カッシング師匠が美女の首を切り落としまくる医療系ホラーの大珍品です。サイケデリックなカラー撮影が素敵です。
事故で顔面に大やけどを負った美人妻を助けるべく、天才外科医のジョン(カッシング)が治療法を編み出す。それは、生きた人間を殺して取り出した脳下垂体を移植するという常軌を逸した治療法だった。
それまでカッシングが演じてきたゴシック・ホラーの趣はまったく無く、モダンな仕上がりに。音楽もモダン・ジャズなので尚更ホラーらしくありません。
狂気の医師かと思って見ていたカッシングはどんどんマトモになり、治療を受ける側の美人妻(スー・ロイド)が次第に欲望をスパークさせていく逆転劇が斬新。そういえば、スー・ロイドってどこかで見た女優だな…と思っていたら、『国際諜報局』の地味なヒロインだった人でした。
この映画の最大の魅力(=トラウマ)は、残酷博覧会なラストにあります。
ホラーではないですが、同時期で同じコロムビア映画に『007カジノロワイヤル』があり、色彩感覚も似ているのですが、ラストまで似ています。影響を受けたとは思えないので偶然でしょうが、何となく60年代の終末観を現しているようで不気味です。
良くできた邦題を言わざるを得ません(邦題の意味はラストで明らかになります)。
60年代の不条理バイオホラーでは、イタリア製『殺しを呼ぶ卵』(1967)と双璧を成す珍品です。★★★。
※医療系映画ということで、この『狂ったメス』はマイミクのmackさんの感想をぜひ聞きたいところですm(_ _)m
『妖女ゴーゴン』は後日のお楽しみに取っておきます。
(画像の左下は以前出ていたハマーBOX(ブルーレイ))
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