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2017年08月19日23:33

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新房昭之の作品スタイル 「終物語」

新作映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が公開中の新房昭之監督による「終物語」が先日放送され、録画しつつ見ました。

これは映画ではありません。
西尾維新の原作「物語」シリーズの最新作、長編アニメーションです。

膨大な巻数とページ数を誇る「物語」シリーズは、その第1作である「化物語」から新房監督(とシャフト)によって映像化されてきましたが、初期の頃の革新的な作品スタイルは良い意味でマンネリ化し、定番化しつつありますが、今回もやはり面白かったです。

特にこの「終物語」は、このシーズンの敵である忍野扇との対決が描かれる、いわば中間最終話で、コアとなるエピソード。有終の美を飾るにふさわしい完成度でした。


【物語】
●”まよいヘル”
大学受験当日の朝、高校生の阿良々木暦(吸血鬼の力を有する)は、怪異の専門家である臥煙伊豆湖に殺されて地獄に落ちる。そこで八九寺真宵と再会した暦は、自分が地獄へ落された真の理由を知り、ある行動に出る。
●”ひたぎランデブー”
受験が終わった阿良々木暦は、彼女である戦場ヶ原ひたぎにデートに誘われる。在学中に運転免許を取っていたひたぎに驚く暦は、ひたぎの運転する車でプラネタリウムへと向かう。
●”おうぎダーク”
ついに暦は、すべての事件の陰で暗躍していた後輩の少女・忍野扇と対峙する。


…新房昭之を好きになって、長いことになります。

緩急自在な演出、タイポグラフィ、シネマスコープとビスタサイズが混在するカオスさ、市川崑や岡本喜八を思わせるシャープな作品スタイル。映画ではできない、TVにもできない、でもTVで放送されるアニメーションだからこそ可能な演出スタイルを極めた監督です(だからこそ劇場にかかった『傷物語』3部作には戸惑いも感じました)。

総監督という立場になり、そのアクの強さは(最盛期よりは)薄まった気もしますが、根本は健在です。特に原作・西尾維新との相性の良さ、化学変化の絶妙さは知れ渡っている限りでしょう。

本作では、本来平凡だったはずの高校生の主人公(阿良々木暦)が、怪異の力を得て周囲とつながり、それを快く思わない存在=敵である少女(忍野扇)と対決する様子が描かれます。敵の驚くべき正体、そしてその決着方法の爽快感と面白さは原作によるところが大きいのは事実です。
しかし、凡百の映像作家や映画監督が映像化したとしても、破綻するか原作に追従するだけの作品になるかは明白です。チーフ新房昭之と、そのチームがあってこその「物語」、「終物語」であることを、あえて声高に言うことは無いにしても、書き留めておきたいと思うのです。

★★★★。よい作品でした。


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