今年最後の新作映画となる『ポッピンQ』を見て来ました。
今年はあとは間に合っても『バイオハザード ザ・ファイナル』あたりを見られるかどうかという忙しさなので、見られたとしても来年に繰り越します。
2016年は、『この世界の片隅に』『聲の形』『君の名は。』という傑作良作アニメーションが続きましたが、残念ながら『ポッピンQ』は、それらに続く第4の長編アニメになるには至りませんでした。
【物語】
高知に暮らす中学3年生の伊純(いすみ、声:瀬戸麻沙美)は、卒業式を目前に控えていたが、部活や両親との確執を抱え、学校へは行かずに見知らぬ駅に降り立つ。次の瞬間、伊純は異世界にいた。
時間の崩壊という危機を食い止めるべく、次々とこの世界に集められた同年代の少女たちは、世界を救うべく協力することを強いられる。
…時間が狂いだすという、ハードSFにありそうな硬派な設定を、歌と踊りで彩るという奇想天外なSFファンタジー。さすが「プリキュア」を送り出した東映アニメーションとそのスタッフが作り上げただけあって、モーションキャプチャーによってヌルヌル踊る登場人物たちの妙な生々しさと、日常シーンの2次元アニメーションのぎこちなさが不思議に同居しています。
そもそも東映アニメーションの設立60年記念作という前触れですが、かつての東映動画時代の大傑作『空飛ぶゆうれい船』『長靴をはいた猫』のような往年の名作へのオマージュはなく、その点は寂しいものでした(唯一、敵の使い魔の造形に、旧東映動画時代のキャラクターの片鱗が感じられます)。
キャラクターの悩みを深く掘り下げていない点も気になります。
この世代の少女たちの抱える悩みの黒さこそが、物語を推し進める原動力になるはずなのが、主人公以外のキャラクターの悩みは深く描かれず、ファンタジー的な何かによって強引に展開するのに違和感を感じます(いちど聞いただけの人の名前を気軽に呼ぶヒロインにも違和感がある)。
エンディングで突然叫ばれるハイテンションな卒業式賛歌も不思議です。
とはいえエンド・クレジット後で示唆された続編への伏線からは、続きを見てみたい気もするのがこれまた不思議でした。
★★★。
…これで、今年の映画のトップ10とMVPがある程度内定です。
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