90年代末から2000年代初頭にかけて北海道警察で起きた不祥事を、逮捕された元警官の原作から映画化した『日本で一番悪い奴ら』を見てきました。
いわゆる”稲葉事件”を描いています。
【物語】
柔道の腕を買われて道警入りした諸星要一(綾野剛)は、警察官としてはパッとしない日々を送っていたが、先輩のベテラン刑事・村井(ピエール瀧)のアドバイスを受け、暴力団と癒着。組の幹部の黒岩(中村獅童)と組み、覚醒剤とその売人の摘発で名を挙げる。
やがて銃器取り締まり班に配属された諸星は、暴力団から融通してもらった拳銃を自分で摘発したかのように見せかけ、点数を稼ぐが、道警の上司からの要求もエスカレートしていく。
…現職の刑事が暴力団から譲り受けた拳銃を摘発に利用し、自作自演していたという衝撃の事件を、エンターテインメントとして描いた作品。純朴だった若き警官が、汚職とクスリにどっぷり浸かってゆく悲壮な姿を、暗くならずに仕上げているのは大したものです。
登場人物の名前は違えども、実際の事件を忠実に映像化しているようで、北海道ロケもふんだんに盛り込み、生々しさがありました。『仁義なき戦い』以降、このカラーが伝統となっている東映のお家芸とも言える映画です(最近は廃れていましたが、『探偵はBARにいる』以降、復活の兆しが見られるのがうれしいです。本当は日活映画なのですが)。
ヤクザ(マフィア)と警官とが癒着していく映画はハリウッドが本場。でも面白い映画は『県警対組織暴力』しかり本作しかり、日本映画の方に多いように思えます。実は、面白いというのは道民には耳の痛い実話をベースにしているとしても、です。
実際の事件では、逮捕された元警官だけが責任を取らされたような幕引きをしていますが(覚醒剤の件は弁解できないでしょうが)、道警幹部関係者への処分は最小限に留まったと言われています。映画は、そういう方面を告発するかのような仕上がりにもなっています。
綾野剛は惜しいミスキャストと言えなくもない感じでした。往年の東映スターのような脂ののった感じが欲しかった。反面、暴力団幹部の中村獅童や、警視庁の捜査官を演じた音尾琢真(道民が誇るTEAM NACS!)の不気味な存在感が光っています。
東京スカパラダイスオーケストラによる爽快感あふれるエンディング・テーマも良かったです。
★★★。
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