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2016年03月18日19:32

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山田洋次監督、久しぶりの小快作 『家族はつらいよ』

山田洋次監督の久しぶりのコメディ『家族はつらいよ』を見てきました。

最近の同監督は、小津安二郎や市川崑のリメイク作(『東京家族』『おとうと』)、反戦映画(『小さいおうち』『母と暮らせば』)など、困ってしまう作品群が多く、往年の名人芸は失われたと思っていましたが、かつてのような勢いはないまでも、今回は面白い小品コメディでした。

ただ面白いだけの映画ではないのも良かったです。


【物語】
定年退職を迎え、ゴルフや居酒屋めぐりで悠々自適に暮らす平田周造(橋爪功)。
平田家には、周造の妻・富子(吉行和子)、商社マンの長男・幸之助(西村雅彦)とその妻(夏川結衣)、ピアノ調律師の次男・庄太(妻夫木聡)、幸之助の2人の子どもの計7人が暮らしていた。

富子の誕生日を前にしたある日、欲しいものはないかと尋ねた周造は、離婚届に捺印して欲しいと言われて仰天。独立して暮らす長女・成子(中嶋朋子)と夫の泰蔵(林家正蔵)が騒ぎだし、泰蔵が探偵(小林稔次)を雇ったことから話は大きくなる。

庄太が婚約者の憲子(蒼井優)を家に連れてきたある日、事件が起こる。


…『東京家族』とほぼまったく同じキャストなのに喜劇を演じているというのが不思議でした(舞台となる家の構造まで『東京家族』とそっくり)。

それぞれが主役を演じられる役者ばかりですが、コメディである以上、アクの強い個性派俳優……渥美清・ハナ肇のような……画面を一人でも引っ張れる役者が欲しかったところです。

非常に小さくまとまって、ミニマムに収束する映画です。
あまり大きな起伏のある脚本ではないためか、大笑いするようなシーンもありません。クスクス笑える小さなコメディです。笑いの中に悲劇が見え隠れするのは山田洋次監督の作品の特徴。こういう映画は好きです。

劇中の平田家のリビングに『男はつらいよ』のDVDが平積みされていたり、『東京家族』のポスターが貼ってあったりする楽屋オチがありますが、小津安二郎監督の『東京物語』は、そのまま映像として本編に登場します。最近の山田監督の映画からは、小津監督への傾倒ぶりが見られるのも特徴です。

日本映画には珍しく、凝ったタイトル・デザインがあり、良かったです。
久石譲の音楽も耳に残って印象的でした。

★★★★。



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