令和初の金田一耕助シリーズの映画化となる、清水崇監督版『八つ墓村』を見てきました。
フイルムが消失している東映版(1951)、野村芳太郎監督による大作版(1977)、市川崑監督の東宝版(1996)についで、4度目の映画化となります。
※ご注意 映画の内容に触れる記述があります
【物語】
大学生の井川辰也(奥智哉)は、幼い頃に生き別れた母の死を警察から告げられ、遺体の確認のために岡山県の八つ墓村を訪れる。村の名家である多治見家から、辰也の消息を調査するよう依頼されていた私立探偵の金田一耕助(尾上松也)は、辰也とともに多治見の屋敷に泊まるが、ほどなくして精算な殺人事件が起こる。
…ホラー映画を量産している清水崇監督らしい、ホラー色の強い仕上がりの『八つ墓村』となりました。
原作にあって、ほとんど映像化されていない「黄金3千両」「殺人メモからの推理」の要素は今回もなし。そもそも、野村監督版以上に犯行の動機を「たたり」にフォーカスしたため、やはりというか、ミステリーとしての面白さはかなり希薄になりました。
尾上松也の金田一耕助のスタイルは原作や市川崑監督=石坂浩二版のスタイルを崩すことなく自然に現代化され、好ましい感じ。ただしほとんど推理しない金田一耕助というのはちょっと困りものでした(原作『八つ墓村』の金田一は、他のシリーズ以上に「傍観者」としての立ち位置なのですが、今回の映画では何もしなさすぎ)。
8人以上殺されている上に犯人が1人に定まらないし、エンディング・テーマが懸念されていたヴォーカル曲ではなくて安心したり、エンド・クレジット後のひとコマがヒネリが効いていたりと、書きたいことはゴマンとありますが、金田一耕助という稀代の名探偵が令和でも存在しうる描き方をしてくれたというのが、清水崇監督の唯一の功績です。
★★★。
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