とにかく佐藤二朗が強烈な映画です。
アンソニー・ホプキンス=ハンニバル・レクター博士級の怪人物を怪演した佐藤二朗に尽きるのですが、実は映画自体の構成力も高く、非常に見応えがありました。
という訳で、本日封切りの映画『爆弾』を見てきました。
【物語】
都内の酒屋で自販機を壊し、店主を殴った男・自称スズキタゴサク(佐藤二朗)が警察署に連行される。取り調べに当たった刑事の等々力(染谷将太)は、タゴサクからの「●●時になると都内の●●で爆弾が爆発するが、自分は犯人ではなく霊感で感じた」という供述を聴くも、本気にしなかったが、やがて供述通りに爆弾が爆発。その後もタゴサクの供述に沿って次々と連続爆破事件が相次ぐ。
警視庁から来た取調官の清宮(渡部篤郎)と部下の類家(山田裕貴)が等々力に代わるも、タゴサクの供述は常に捜査の先を行く。現場では、警官の倖田(伊藤沙莉)と矢吹(坂東龍汰)のコンビが爆弾の捜索に奔走する。
…アンサンブルキャストの映画ですが、その中心にいる佐藤二朗がすべてを食っています。しかしながらその他のキャストも良いです。
教科書的で常識的なエリート取調官=渡部篤郎と、型破りで鋭どい分析をする部下=山田裕貴(本作の探偵役)の対照的なコンビと、出世に焦る現場の警官=坂東龍汰とそれを支える女性警官=伊藤沙莉のコンビ、この2組が交錯する一方で、過去の警察組織の不祥事を引きずる刑事=染谷将太の個性も光ってます。
優しいお母さん役が似合う夏川結衣を、あの役に当てたのも正解でした。
爆発による容赦のない描写も邦画では珍しい。
SNSによる事件の伝播を逆手に取る犯人の心理や、それと対照的にアナログな組織のほころびを浮き彫りにし、佐藤二朗という怪物を通してサスペンスを醸成した監督の手腕は確かです。
★★★★。面白かった。
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