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2025年08月15日01:12

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本邦未公開SF 『宇宙冒険旅行』

最初に、『宇宙冒険旅行』というタイトルで国内盤DVDリリースの記事を見たとき、聞いたことがない映画なので疑問符だらけだったのですが、あのジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』のリメイクでした。

しかも監督が『宇宙戦争』のバイロン・ハスキンで脚本はダルトン・トランボ(ノークレジット)、主演がジョセフ・コットンという豪華な作品。

しかし本邦未公開なのには訳がありました。

1958年、RKOラジオ作品(RKOの倒産に伴いワーナー・ブラザーズが配給)。
スタンダード・サイズ、総天然色の作品です。
(原題は"From The Earth to the Moon")

【物語】
南北戦争終結後の1868年、アメリカ。
戦時中に兵器開発で儲けた実業家のバービケーン(ジョセフ・コットン)は、高性能爆薬”パワーX”を発明。これを砲弾型ロケットに搭載し、月を目指すという計画を発表する。
ロケットが兵器に転用されるのではないかと反対する世論にも負けず、苦心の末にロケットは完成。人類初の月旅行が始まる。

…RKO末期の作品のためか、またはダルトン・トランボにSF的センスがなかったためか、メリエスの『月世界旅行』のセンス・オブ・ワンダーには及びもしない失敗作に。バイロン・ハスキンは『宇宙戦争』『黒い絨毯』は素晴らしいかったのに、本作の演出には精細さがありません。

ロケット発射までのプロセスの方が面白く(グラント大統領まで登場する政治的駆け引きなど)、発射してからは全然ダメで、ロケットが宇宙を飛行するシーンも乗組員が船内から外を見るシーンもかなり少なく、特撮映画としての見せ場がないという致命的な欠陥があります。

劇中、何度も”原子炉(リアクター)”という語句が出てきますが、電気すら実用化にほど遠い時代に、いくらなんでもオーバーテクノロジーすぎます。そもそも液体燃料を燃焼させて飛ぶロケットなのに、なぜ原子炉が?

MGMの名作『禁断の惑星』の音楽をそのまま流用している点からも、やる気の無さが伺えます。

バービケーン役のジョセフ・コットンと、ライバル科学者のジョージ・サンダースは、協力してるのか邪魔しあってるのか良く分かりません。登場人物の中にジュール・ヴェルヌが混ざっているのはちょっと面白かったですが…。

★★★。本邦未公開な訳です。

※似た題材で、同じく日本未公開の『SF月世界探検』は傑作!
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