1970年代のミステリー映画って、独特の雰囲気がありますね。
ゴールディ・ホーンが可愛い『ファール・プレイ』、ブラックユーモア満載の『シェフ殿ご用心』、ヒッチコック風の『大陸横断超特急』など。それらの多くは、ミステリーとコメディが融合した作品群ですが、その代表格である『私立探偵モーゼス』を廉価版ブルーレイで見ることができました。
主演リチャード・ドレイファス、音楽ビル・コンティ、衣装イーディス・ヘッドという豪華な面々がそろった作品なのに、なぜか日本未公開。正直なところ、ソフト化されるまで知らなかった作品です。
1978(昭和53)年、ユニヴァーサル=アメリカ映画。ビスタサイズです。
【物語】
LAのしがない私立探偵モーゼス・ワイン(リチャード・ドレイファス)は、妻(ボニー・ベデリア)と離婚し、たまに息子たちと会う日々。そんな彼のもとに、かつての恋人だったライラ(スーザン・アンスパッチ)が訪ねてくる。州知事選挙の事務所で働く彼女から、立候補者のデマ広告の出どころを突き止めて欲しいと依頼されたモーゼスは、彼女との再会を喜びながら依頼を引き受けるが、彼女は何者かに殺されてしまう。
…なぜ本邦未公開だったのか、疑問なくらいの快作です。
1978年という時代も良く出ていて、『スター・ウォーズ』のセリフが出てきたり、主人公の子どもが『ゴジラ対メガロ』を見たがっていたり、70年代アメリカのサブカルチャーを垣間見るのも楽しいです。
リチャード・ドレイファス演じる主人公の探偵が、60年代の学生運動家上がりで、当時の人脈や情報網から犯人に迫るというのもユニーク。1978年というと、ベトナム戦争も過去のものとなりつつあり、人々の興味がハイテクや経済成長に移り始めていた頃。未だに昔を引きずっているかのようなショボくれた探偵を、リチャード・ドレイファスが好演しています。
ジョン・リスゴーやF・マリー・エイブラハムなど、クセのある役者も出ています。
エンピツのささった拳銃や、主人公がしているギブス、愛車のワーゲン(テールランプが切れている)など、小道具の使い方も面白い。
これは思わぬ拾い物でした。楽しいミステリー映画です。
★★★★。
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