『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』のロバート・ゼメキス監督の最新作『HERE 時を越えて』を見て来ました。
有史以前から現代に至るまでの、あるアメリカの場所(ほとんどは19世紀くらいに建てられたある家のリビングルーム)からカメラを動かさず、定点観測することで描いた実験的なドラマです。
【物語】(といっても物語らしい物語はない)
恐竜が闊歩する時代の、ある場所。やがて氷河期が訪れ、ふたたび生物が繁栄し、人類が誕生する。長い年月が過ぎて、その場所には入植者が現れ、家を建てる。
1920年代から現代に至るまで、家には様々な家族が住んでは引っ越し、新たな家族が生まれる一方で、死をも見つめていく。
…1960年代から2000年代までに住んだ一家が軸にはなっています。青年期から老年期までを演じたトム・ハンクスと、その妻役のロビン・ライトが中心です(この2人はゼメキスの『フォレスト・ガンプ』でも共演してました)。
ラストショットまでカメラは動かず、家のリビングと窓の向こうだけをとらえ続けます。ジョージ・パルの『タイムマシン』のように、季節と時代は目まぐるしく変わり、人間の営みを観測し続けます。
1940年代に暮らしていた発明家夫妻以外は、いたって平凡な、2〜3世代の家族の営みです。飾ることなく、ドラマチックでもないのに、1時間40分の上映時間を見せ切られるのは、ロバート・ゼメキス監督の職人技あってこそでしょう。
この映画、題材が地味なためか、全米公開時にもほとんど話題にならず、ひっそりとロードショーを終えていました。ゼメキス監督最良の作ではないですが、良作だと思います。
★★★。
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