倉本聰原作・脚本による、贋作をめぐるミステリー・ドラマ『海の沈黙』を見て来ました。
監督は若松節朗。
『ホワイトアウト』『空母いぶき』など、アクション色に強い作品を撮る一方、『沈まぬ太陽』『Fukushima50』などの社会派ドラマも撮る監督です。
【物語】
東京のある美術館で、画壇の大物や政治家を集めての展覧会の開会式が行われる。
国際的にも著名な田村画伯(石坂浩二)も招待されていたが、展示されていた自身の絵の中に贋作があることに気づき、大騒ぎとなってしまう。絵を所有する美術館の館長が自殺し、社会問題化する中で、北海道にいた贋作の作者・津山(本木雅弘)の存在が浮かび上がる。
…あまり作家性を感じない監督だけに、作者の倉本聰のカラーの方が強く出ていたように感じます(ちゃんと北海道が重要な舞台になっているし)。
芸術家の苦悩のようなものを爆発させる本木雅弘がよく分からず、女に刺青を彫る(趣味?)と絵画の創作との両立も、見ている方としては謎のままでした。
石坂浩二扮する「画壇の大物画伯」も勿体なくて、とことん嫌味な人物であって欲しいのに、描き込みが中途半端。その分、中井貴一の役である謎のフィクサーの描写に力を入れていたようですが、この男と本木雅弘との関係も曖昧なままでした。
贋作事件が社会問題化する導入部分まではテンポも良く、面白かったのになあ。
★★★。
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