レイモンド・チャンドラーが生んだハードボイルド探偵、フィリップ・マーロウにリーアム・ニーソンが扮した映画『探偵マーロウ』を見て来ました。
まさかこの時代に、30年代のハードボイルドをストレートに描いたスリラー映画の新作が見られるとは。音楽・撮影・脚本も良く、演者も良くて、大満足です。
原作はチャンドラーではなく、『ロング・グッドバイ』の公認続編小説です。
【物語】
1939年、ロサンゼルス。
探偵フィリップ・マーロウ(リーアム・ニーソン)の事務所に、ひとりの女がやって来る。
女はクレア・キャベンディッシュ(ダイアン・クルーガー)と名乗り、ハリウッドの大女優(ジェシカ・ラング)の娘であった。依頼の内容は、失踪した若い愛人を探して欲しいというものであった。
しかし間もなく、その愛人は高級クラブの前の道路で轢かれて死んでしまう。
その死に方に疑問を持ったマーロウは、調査を進めるうちに、大きな闇と対面することとなる。
…古き良きハリウッドが舞台ですが、バルセロナとダブリンで撮影されたようです。
監督のニール・ジョーダンの見せ方がうまく、違和感を感じさせません。
シネマスコープ・サイズの横長画面の構図も昔のハリウッド映画のようで、良いです。
フィリップ・マーロウといえば、映画で好きなのはエリオット・グールド(『ロング・グッドバイ』)、ハンフリー・ボガード(『三つ数えろ』)、そしてロバート・ミッチャム(『さらば愛しき女よ』)の3人です。リーアム・ニーソンのマーロウは、中でも最も長身で、この点は原作に近いです。ただし原作よりも高齢なので、劇中では「俺も年だ」などどボヤくシーンが見られます。よい年の取り方をしているように見えました。
やさぐれた感じのエリオット・グールド(好きだけど)とは違い、生活も仕事もきっちりしていて、女の色香に惑わされない真面目なマーロウです。
ダイアン・クルーガーとジェシカ・ラングが因縁の親子どうしというのは、顔立ちも似ている2人なので、ぴったりでした。
劇中のある人物の死を知って、マーロウとかつての仲間の刑事たちが犯人逮捕を誓う短いシーンが好きです。脇の刑事にちゃんと個性があって、書き込みがしっかりしています。
酒とタバコにまみれたあの時代を、よくスクリーンに蘇らせてくれました。
★★★★。
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