同時多発テロ後、犠牲者1人1人に支払う補償金を計算した弁護士を描いた実録映画『ワース 命の値段』を見て来ました。
だいぶ遅れてでの本邦公開となったようです(製作は2020年)。
【物語】
2001年9月11日、同時多発テロが発生。犠牲者への補償金を早期に決め、訴訟を回避したいアメリカ政府は、基金を立ち上げて早々と補償の幕引きを図ろうとする。
その責任者に立候補した辣腕弁護士のケネス・ファインバーグ(マイケル・キートン)は、数多くの企業案件で勝訴してきたベテランだった。犠牲者の生涯給与などから補償金を割り出す計算式を作り、さっそく犠牲者の遺族と対峙したケネスだったが、彼らから激しいバッシングを浴びることとなる。
…あのテロが起きてから時間を置かず、すぐに大企業救済のために基金を作り、訴訟を逸らそうとするアメリカ政府の対応の早さに驚かされます。我が国では、こう早くは立法できないでしょう。
国家的事業に携わることへの野心を燃やす弁護士役のマイケル・キートンははまり役でした。数式と統計がすべての敏腕弁護士が、しだいに遺族の声に耳を傾けるようになり、心を変えてゆく姿をうまく演じています。地味ですが、主人公キートンを牽制するパートナー弁護士役のエイミー・ライアンも良かった。
犠牲者側の代表役にスタンリー・トゥッチ。テロで妻を亡くしているのに、あくまで冷静にキートンと対立します。こういう良い脇役がいるからこそ、キートンも光ります。
富の2極化がこんなところにまで影響する社会の残酷さも、真摯に描いてました。
★★★。
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