湯浅政明監督の新作『犬王』を、引っ越しの最中に見て来ました。長編アニメーションです。室町時代に実在したとされる、猿楽能の名人を題材にした映画です。
【物語】
15世紀、室町時代。
壇ノ浦で生まれた漁師の息子・友魚(声:森山未來)は、盲目となり、琵琶法師の組織に弟子入りする。
一方、猿能楽の一座に生まれた犬王(声:アヴちゃん)は、異形の姿をしており、人びとに忌み嫌われていた。
都で出会った2人は意気投合し、それまでの常識を破壊した狂乱のライブを敢行。あっという間に評判となり、その人気は幕府にまで届くことになる。
…時代劇+パンクロック+ライブ+ミュージカル+アニメーションという、かなり実験的で前衛的で、それでいて面白い作品です。シネマスコープの横長画面いっぱいに繰り広げられる狂乱のミュージカルシーンが圧倒的。湯浅監督の過去作でも見られた、映像と音楽と演出が三位一体となる恍惚の瞬間もちゃんとあります。
異形の者たちが受け入れられ、権力に利用され、捨てられていく非情な姿は悲劇なのですが、哀しさだけで終わらない爽快感があり、それはライブシーンに結実しています。
★★★★。見たことのないものを見られる映画。
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